さらにこれまでに紹介した「天然」「奇跡のタイミングで起こる笑い」が繰り返されるたびにSNSで拡散され、好感度が上がっている。いじられキャラなのに意外に歌が上手いというのもまた、愛され要素のひとつかもしれない。

北川景子、阿佐ヶ谷姉妹…
「愛され」タレントたちの特徴とは?

 ネット上で「愛され」が増幅するタレントというのはほかにもいる。たとえば北川景子は「女性が選ぶなりたい顔ランキング」などの上位に上がる人気俳優だが、タレントのDAIGOと結婚してからはバラエティで柔和な笑顔を見せることが多くなった。

 娘のために作った手作りのトートバッグをSNSで披露すると絶賛コメントが相次ぎ、これまでの「ちょっと近づきがたいほどキレイな女優さん」というイメージから、親しみやすい要素が加わってもはや無敵である。

 またお笑いコンビの阿佐ヶ谷姉妹は、「姉」の江里子が「妹」の美穂に送るはずの「今うちにトマトありましたっけ?」というメッセージを間違えてツイッター(当時)に投稿してしまったことが、10年たった今でもSNS上で語り継がれ「愛され」要素につながっている。

 ネット上で見る人を笑わせたり、ほっこりさせたりというのは計算してできるものばかりではなく、タレントの場合はむしろ計算が垣間見えるとあざといと受け取られる。上記に挙げた「愛され」タレントたちは、自然に人柄があふれ出たと見えるところが良いのだろう。

 SNS時代においては、同じ出来事であっても、それが笑いとして受け止められるか、批判として広がるかは紙一重なところがある。狩野の場合、そのズレや失敗が「安心して楽しめるもの」として共有されている点が特徴だ。

 完璧さや正しさだけでは人は引きつけられない。むしろ適度な隙やズレを持ち、それを自ら受け入れ、他者と共有できることが「愛される」ための条件になっていると感じる。SNSでの評価が可視化される時代だからこそ、その差は今後も際立ってくるのだろう。