ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。著者の森武司氏は「人が辞めない組織をどうつくるか」という問いに真正面から向き合ってきた人物だ。
今回、本書に深く共鳴した株式会社SDCs代表取締役・岡藤道雄氏に話を聞いた。通信業では全国最下位だった営業拠点を、メンバーを一人も入れ替えることなく1年で全国1位へと導き、現在は採用&キャリア支援・交流会運営・子ども食堂運営を展開する。年間3000人以上と向き合ってきた岡藤氏が語る、部下の不満をなくす評価制度と承認欲求の満たし方とは。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【給料が低いと嘆く部下の残念な勘違い】人材のプロが明かす部下の不満を一掃するスゴイ評価の仕組みとは?Photo: Adobe Stock

「給料が低い」の裏に隠れた、本当の問題

――「給料が低い」「正当に評価されていない」という不満を持つ部下への向き合い方に悩む管理職は多いと思います。岡藤さんはどう向き合っていますか?

岡藤道雄(以下、岡藤):評価への不満は、ほとんどがお金の話につながります。
ただ、正社員の方って、給与の約1.3倍が会社の負担になるという法定福利費の概念をほぼ知らないんですよ。

「こんなに働いているのに給料が低い」という声には、粗利や利益の構造から数字で説明します。「今の給料は実はむしろ高い方なんですよ」と伝えると、納得してもらいやすくなります。

――数字で説明することで、納得してもらえるものなのですか?

岡藤:感情的な不満に感情で返しても何も解決しないんですよ。数字で見せると「そういう構造だったのか」と初めて気づく方が多い。不満を持っている方って、会社の数字が見えていないだけのケースがほとんどです。見えれば納得する。だから数字で話すことが大事なんです。

承認欲求を満たす、シンプルな方法

――給料への不満の裏に、承認欲求の問題が隠れているケースも多いと思います。部下の承認欲求にどう応えればいいでしょうか。

岡藤:「認めてほしい、私が頑張っているじゃないですか、こんなに努力しているのに」と言ってくる方って多いんですよ。

そういう方には「大丈夫、ちゃんと見ているよ」という一言が刺さります。愚痴や不満が出てきても、まず全部聞く。「ちゃんと見ているよ」「あなたの頑張りはわかっている」と伝えるだけで、話が悪い方向に向かっても納得して終われる展開に持っていける。傾聴力だけで場を収められるんです。

――具体的に、組織の中で承認欲求を満たす仕組みはありますか?

岡藤:『スタートアップ芸人』に「組織図を毎月全社員に送る」という話が出てくるんですが、これはまさにそういうことだと思っていて。私が前職の正社員だったとき、組織図が送られてくるのは年に1回だけでした。誰かを称賛する文化のかけらもなかった。役割を認識させること、存在を可視化すること――それが承認欲求を満たすシンプルな方法だと、本を読んで改めて言語化できた気がしました。

「一方的な評価」が不満を生む

――岡藤さん自身は、評価制度をどう設計していますか?

岡藤:評価制度は自分でも点数をつけて、上司にもつけてもらい、平均値を出す仕組みにしています。一方的な評価にしないことが大事です。自分でもつけるから「自分はこう思っていたけど、上司はこう見ていたのか」という気づきが生まれる。その差を埋めるための対話が自然と生まれるんです。

――評価項目がそもそも合っていないというケースもありますよね。

岡藤:おかしな項目が見つかったら、臨機応変に変えていけばいいんです。「これはこうでなければならない」という固定観念はいらない。変えるべきところは変える。そうやって評価制度が自分たちのものになっていくと、不満じゃなくて納得感が生まれてくるんです。

不満が消える職場をつくる、
たった1つの原則

――部下の不満に悩むマネージャーへ、メッセージをお願いします。

岡藤:不満って、結局「見てもらえていない」という感覚から生まれることがほとんどです。数字で納得させる、存在を可視化する、評価を一方的にしない。どれもシンプルなことですが、できていない職場が本当に多い。まず「ちゃんと見ているよ」と伝えることから始めてみてください。それだけで、職場は変わります。

部下の不満や評価制度の悩みをもっと深く考えたいという方には、『スタートアップ芸人』が参考になるかもしれません。著者の森武司さん自身が、給料や評価への不満と向き合いながら「人が辞めない組織」をゼロからつくり上げてきた人間です。「なぜ人は認められると動くのか」という問いへの答えが、具体的なエピソードとともに書かれています。

(本書は『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関する特別投稿です。)