『風、薫る』第46回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて12年目の著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第46回(2026年6月1日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
突然、中国のことわざ
第10週のサブタイトル「疾風に勁草」(演出:新田真三)は中国の歴史書『後漢書』の王覇伝に記されたことわざに由来する。「疾風勁草(しっぷうにけいそうを知る)」は激しい風(疾風)が吹いたとき、それに耐え抜く強靭な草(勁草)の存在がわかることから、苦難や試練に直面したときこそその人の本当の強さがわかる、という意味。
風は薫っているだけではなく、ときには厳しいもの。今週、誰の強さがわかるのか。どんな困難や試練が訪れるのか。
東雲ゆき(中井友望)が担当している患者・小野田里久(宮地雅子)が危篤状態に陥った。
第9週のおわり・第45回では、朝、小野田がパタリと意識を失い、亡くなったのか!? と衝撃を与えた。
第46回では、生きてはいるものの、心臓がかなり弱っていて、意識が戻らず、このままということも考えられることがわかる。
ゆきは呆然(ぼうぜん)とするばかりで、トメ(原嶋凛)がテキパキ動く。
重症病室に移った小野田はかろうじて意識を回復したが、記憶が朦朧(もうろう)としている。
家で娘といっしょにいると思い込む小野田に、ゆきは咄嗟(とっさ)に対応できない。トメはまたテキパキと、娘のフリをして話を合わせる。
ゆきは「どちら様で」と聞かれて動揺してしまう。第45回でもゆきは弱っている小野田が見ていられず泣いていて、小野田の前では泣くなとトメに言われていた。
変わっていく病人の姿に涙が止まらなくなってしまう経験は誰もがあるだろう。でもそこは患者を不安にさせないためにも平常心で接するのが看護側のたしなみ。記憶があやふやになっていたら、否定しないで話を合わせてあげることも大事だ。とりわけ看護婦は。ゆきも、記憶が混濁した小野田に対応するとき涙を必死にこらえていた。







