進学実績より「教育内容」で選ぶ時代へ

 前述したように、保護者の学校評価の軸が変わってきていることも、今年の大きなトレンドです。

 東京農大第一などの人気を見ると、大学の進学実績に加えて、学校の教育内容に強く興味を持つ保護者が増えていることがわかります。

 特に、AI時代を前提とした学校教育への関心は高まっています。体験型の学習、その学校ならではの取り組み、施設や人的環境といった「学校という場所でしかできないこと」が評価されているのです。

 理数系教育に力を入れる学校、実験・実習を重視する学校、国際教育を前面に出す学校——それぞれの方向性に、それぞれのニーズを持つ家庭が集まっています。

 この変化の背景には、保護者世代自身の意識の変化があると感じています。今この社会の最前線にいるお父さん・お母さんが、「わかりやすい進学実績以外の部分でも人間が評価される」ということを身をもって感じているのでしょう。その感覚が、学校選びにも反映されているのだと思います。

「サンデーショック」の影響は?

 今年は「サンデーショック」(2月1日が日曜日に当たることで、キリスト教系の学校が入試日をずらすことによる受験スケジュールの変化)の影響を受けた年でした。2015年の前回のサンデーショックのときは、「桜蔭を受ける子は女子学院へ」といった形で、比較的わかりやすくパターン化された受験生の動きがありました。

 しかし、今年は違いました。

 併願パターンが多様化しているため、同じサンデーショックでも受験生の動きが一方向に流れるのではなく、矢印が複数方向に向かっていたのです。桜蔭の受験生が女子学院のみならず、豊島岡女子学園や渋谷教育学園渋谷を併願する例も増えています。

 併願校の組み合わせが従来のセオリーから大きく外れるケースが増えたことも、今年の大きな特徴です。

 従来は男子校、女子校の受験者は男子校、女子校だけを併願する傾向にありましたが、共学も受けるケースが増えてきています。逆もまた然りです。渋渋の併願が広尾学園だけではありませんし、開成の受験者が渋渋を受けることもあります。