【中学受験】慶應普通部の入試で「an・an」エッセイが出題された意外な理由写真はイメージです Photo:PIXTA

10年、20年先の社会の変化を見据えて、子どもの教育を考え始める親が増えている。幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が、教育の新潮流から、子どもの学力の伸ばし方のヒントなどを解説する本連載。

前2回と2026年の中学入試を踏まえたトレンドを紹介してきたが、今回は前後編にわたって入試問題そのものの傾向と、その変化が示す学習の本質について掘り下げる。前編では、「行き着くところまで行った難しさ」の正体を明らかにするとともに科目別の傾向について解説していく。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、 構成/ライター 奥田由意)

入試問題は「行き着くところまで行った」

 ここ数年の中学入試問題を見ていると、難易度の面では本当に「行き着くところまで来てしまった」感があります。

 各学校の先生方の出題の工夫は限界に近づいており、作問者に感服するほど丁寧につくられた問題が増えています。難しすぎるという批判よりも、素敵な問題と言いたい問題が今年も多く見られました。

 かつては中堅校の問題には複雑な難問はないと言われることもありましたが、今はその認識が通用しなくなっています。

 ワンランク上の難しさ――中堅校の少し上のレベル帯、いわば中難関校で出されていたような問題が、今や中堅校で出るようになっています。学校名を隠して問題だけを見ると、どのレベルの学校の問題か判別しづらいくらいに、問題の質が全体的に上がっているのです。

 一方で、細かすぎる知識を問い、いたずらに受験生を苦しめる「重箱の隅をつつくような」問題は減りました。