メールを送ったのに全然返事が来ない。何度も更新して返事が来てないか確認してしまう。「あれ? 私、もしかして言い方が悪かったかもしれない」。そんなふうにメールが来なくて気になって仕方ない、という経験のある方も多いのではないだろうか。「自分の大切な時間を不安な気持ちで振り回されたくない!」――そんな人におすすめなのが、書籍『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)だ。本書は一度きりの人生を心から満足のいくものにするための1冊。本書の発売を記念して、エッセイストの斉藤ナミ氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

既読スルーが気になる人がやるべき行動・ベスト1Photo: Adobe Stock

いつも返事が早い人の返事が遅いと、めちゃくちゃ不安になる

6日前にいつもの担当者へメールで送った原稿の返事が、まだこない。

「確認します」とだけ返信が来たけれど、そこから動きがない。

どうしたんだろう。いつもなら、1、2日で「めちゃくちゃ面白かったです」という感想や、「ここをもうちょっと……」などの修正依頼が来るはずなのに。

編集部全体のグループチャットでは発言しているから、急病だとか、連絡できない環境にいるわけではなさそうだ。

「私、なんか失礼なことした?」

まさか、つまらなすぎて落胆している?
それか、私、なんか失礼なことした?
もしかしてもしかすると……嫌われている?

何度も送信済みメールを開き、失礼な表現がなかったか、一文字ずつ検品を繰り返す。

読めば読むほど自分の文章が幼稚に思えてきて、返信が来ないというだけの事実が、私という人間そのものへの拒絶のように感じられてしまう。

どんどん妄想が膨らんで、頭の中はそのことばかりで、目の前にある他の仕事に集中ができない。

「返事がそっけない」だけで、ネガティブな妄想が暴走

これは仕事に限った話ではない。恋人や友だちとのやりとりでもそうだ。

いつもより少し返事がそっけない気がするだけで、言葉の裏側を考えはじめ、良くない妄想をどんどん膨らませ、一人で不安の底に沈んでしまう。

やるべき行動ベスト1:不安な出来事を「事実・解釈・学び」に分ける

こんな私にぴったりな一説が、ベストセラーとなっている本、『人生アップデート大全』にはある。

「不安なことがあったら「事実・解釈・学び」に分けて整理する。すると、感情に飲み込まれず、次の一歩に集中できるようになる。」
――『人生アップデート大全』より

不安な出来事はつい感情的に捉えがちだが、今回のことを「事実」「解釈」「学び」に分けると、事実は「6日前の原稿の返事が来ていない」ことだけだ。

私がああだこうだと妄想していることは、確認しないかぎり、いつまで経っても「ただの解釈」でしかない。

嫌われている妄想は「エネルギーのムダづかい」

私はずっと勝手な解釈に振り回されているのだ。

……と言い聞かせてはみるものの、事実と解釈を分けたからといって心臓のバクバクが魔法のようにすぐに消えるわけではない。

それでも、自分が勝手に作り上げた「嫌われている」という妄想で自分の首を絞めるのだけはやめようと思えた。さすがにエネルギーのムダづかいすぎる。

「この状況から私は何を学べるだろう?」

視界が少しクリアになったところで、改めて自分に問うてみる。

「この状況から私は何を学べるだろう?」

自分でコントロールできない時間に怯えるくらいなら、1週間と期限を決めて、自分から「原稿どうでしたか?」と聞いてみよう。ただ、それだけのことじゃん!

1時間に何度もメールの更新ボタンを叩くのはもう止めよう。

人生をアップデートするというのは、超人的なメンタルを手にいれることではなく、こうしてちょっとずつ自分の人生の手綱を握り直していくことなのかもしれない。

(本稿は『人生アップデート大全』に関する特別投稿です)

斉藤ナミ(さいとう・なみ)
エッセイスト
「婦人公論」「ランドリーボックス」「ねとらぼ」などのWebメディアでエッセイを執筆。noteが主催する「創作大賞2023」では幻冬舎賞を受賞。著書に『褒めてくれてもいいんですよ?』(hayaoki books)がある。