『風、薫る』第8回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて12年目の著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第8回(2026年4月8日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
新淑女双六の上がりは捨松みたいな貴婦人
あーびっくりした。りん(見上愛)の娘・環(宮島るか)がもう大きくなっていた。何話か見そびれたかと思うではないか。いや大丈夫、ちゃんと毎日見ている。そして、今日もまた突風のような急展開が待っている。
まずは順に見ていこう。
おばば(美津のこと)から荷物が送られてくる。そこには、新双六(すごろく)淑女鑑(かがみ)が入っていた。
今度の双六の上がりはドレス姿で「常世の淑女」。
灰色無地の羽織を羽織った奥様より断然華やかだ。
りんは、こういう貴婦人に会ったことがあると環に話す。貴婦人とは捨松(多部未華子)のことだ。
ふと、父(北村一輝)のことを思い出すりん。
「学ぶことは時に世を渡る翼となり、身を守る刀となる」
そこへ夫・亀吉(三浦貴大)が来て、美津(水野美紀)から環に贈り物が届いたとりんが言うと「くれてやった金で」とけんもほろろ。たぶん、部屋の片隅の馬のおもちゃなども、美津が買い与えているのであろう。
りんがこの家に嫁いだことで、一ノ瀬家は経済的に援助を受けているようだ。そのための嫁入りであった。
ここで前作『ばけばけ』を思い出す朝ドラ視聴者も少なくないだろう。『ばけばけ』の主人公の家も士族であったが明治維新で没落し、主人公が外国人の作家兼教師と結婚したことで経済的に豊かになった。お金のある人と結婚するのはサヴァイブの方法のひとつである。
亀吉は自分の娘の名前も「書きづらい」と冷たく、双六を踏んで出ていく。自分が名前を好きに考えろと言ったくせに。
「環は女学校にいっていっぱい勉強しましょうね」とりんは言いながら、双六を見る。今度の双六は選択肢が多様だ。
教員、作者、宣教師、新聞記者に医者……。
いいねえとつぶやくりん。自分は旧双六の地味な「奥様」の時代から取り残されている感。







