「勉強」より先にすべきこと。
「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「勉強」よりも差が出ること
「結果が振るわない子は、勉強以外の部分で差が出るんですよ」
小学校受験の指導をしている先生が、そう話していた。
ある雨の日のこと。
教室が終わり、子どもたちが玄関に集まっていた。
保護者が迎えに来るまでのわずかな時間だ。
すると、一人の男の子が閉じた傘を持って遊び始めた。
最初は床をコンコンと叩いていたのだが、そのうち傘を振り回し始めた。
その瞬間、傘の先が、隣にいた女の子の顔のすぐ前を横切った。
女の子は思わず体をのけぞらせる。
周りにいた保護者からも、「あっ、危ない」という声が上がった。
幸い当たらなかったが、あと少しずれていたら目に入っていてもおかしくなかったそうだ。
先生は男の子を叱りつけなかった。
ただ、女の子に向かって、「びっくりしたね」と声をかけた。
すると男の子の表情が変わったという。
自分は遊んでいただけだった。でも、相手は怖い思いをしていた。
そのことに初めて気づいたのだ。
先生によると、小学校受験で問われているのは知識だけではない。
自分の行動が周りの人にどう影響するのか。
それを想像できるかどうかも、大切な力なのだという。
「自分の行動によって、相手がどのような気持ちになるのか。それを日常のなかで教えてあげることが大切なんです。」
その先生はこう話していた。
勉強ができることももちろん大切だ。
だが、それ以上に大切なのは、「自分がしたことを相手はどう感じるだろう」と考えられること。
傘の持ち方ひとつにも、その力は表れるのである。
相手の気持ちを考える第一歩
小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「かさをただしくつかおう」という項目がある。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
・まわりに ひとが いないのを たしかめて かさを ひろげる。
・かさで まわりを みえなくならないように ちゅういする。
・かさを あけしめするとき ほかの ひとに しずくが かからないようにする。
・つかいおわった かさは ひろげて かわかしてから しまおう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)
こうした習慣を身につけることは、ルールを覚えるためだけではない。
「自分の行動によって相手がどう感じるのか」を考えられる人になるための第一歩なのである。
社会に出てからも、人との関わりは避けて通れない。
そのときに求められるのは、知識の多さだけではない。
自分の行動を相手の視点から見つめ直せる力だ。
傘を正しく持つことは、その力を育てるための小さな練習なのである。









