26年の原油相場はウクライナ和平期待と中東・南米リスクで乱高下、需給は緩和基調で下落傾向かPhoto:PIXTA

原油相場は2025年12月半ばに底打ちし、ウクライナ和平合意への期待やベネズエラ・イラン情勢、制裁観測、寒波による米生産減など供給不安を材料に上昇した。一方、在庫統計やドル高、緊張緩和の兆しが下押しし、26年2月に入ってからは下落が目立つ。強弱材料が交錯する中、足元の需給は緩和基調で下げやすさも意識される。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

ウクライナ和平合意への期待から
12月中旬に安値後、上昇へ

 原油相場(WTI、ウエスト・テキサス・インターミディエート)は2025年12月半ばをボトムに26年1月下旬にかけて上昇傾向で推移した後、2月初旬には金など他のコモディティーとともにやや下落幅が大きくなった。

 安値をつけた25年12月中旬頃から振り返ると、11日は、前日の米軍によるベネズエラのタンカー拿捕(だほ)を受けた上昇が一時的にとどまり、ロシアとウクライナの和平に向けた期待が持ち直したことから原油相場は下落した。

 16日は、前日に米国、ウクライナ、欧州諸国が和平案の修正案の内容を確認し、「安全の保証」に関して米国を中心とした停戦監視の仕組みをつくるなどの方針が固まったとされ、トランプ米大統領は和平合意に「これまでになく近づいている」とし、原油相場には弱気材料になった。

 しかし22日は、週末に米沿岸警備隊がベネズエラ沖で石油タンカーを拿捕したことや、ウクライナ軍がロシアの船舶2隻と桟橋に損傷を与えたことで、石油供給の混乱が懸念された。26日は、28日にウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ大統領との会談が予定され、ウクライナ和平交渉の進展期待につながって、原油は下落した。

 29日は、地政学リスク懸念が相場を押し上げた。イエメンでは、反フーシ派で連携していたはずのサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が対立を激化させた。

 また、前日にトランプ大統領は、プーチン露大統領、ゼレンスキー大統領とそれぞれ和平案に向けた作業部会の設置で合意したが、この日、ロシアはプーチン氏の大統領別邸がドローン攻撃の標的になったと主張し、ウクライナは全面否定した。

 31日は、米エネルギー情報局(EIA)の週次石油統計で、石油製品在庫が市場予想を上回ったことが弱気材料になった。米新規失業保険申請件数が少なかったことで、米利下げ観測が後退してドル高につながり、ドル建ての原油は割高感から売られた面もあった。

 次ページでは、26年に入って以降の相場を振り返り、先行きを検証する。