3月の金融政策決定会合後、会見に臨む日本銀行の植田和男総裁3月の金融政策決定会合後、会見に臨む日本銀行の植田和男総裁 Photo:JIJI

米国とイスラエルによるイラン攻撃で原油価格が急騰し、世界経済が動揺している。3月の「中銀ウイーク」では、主要中央銀行が相次いで政策判断を示したが、対応は一様ではない。様子見を基本としつつも、欧州では利上げ警戒が強まり、日銀も円安次第で追加利上げを迫られる可能性がある。(マーケットコンシェルジュ代表 上野泰也)

原油高ショック下で分かれた
主要中銀の政策スタンス

 米国とイスラエルによる2月末のイラン攻撃が原油価格の高騰を招き、経済環境が大きく変わったことを受けて、先進各国の中央銀行は対応を迫られている。

 3月の第3週は、中央銀行が政策を決める会合が相次ぐ「中銀ウイーク」だった。それぞれの決定内容に加えて、今後についてどういうメッセージを発するかが注目された。

 トップバッターは、3月17日に会合を開催したRBA(オーストラリア準備銀行)である。原油価格が急上昇するより前から、RBAはこの会合で2会合連続の利上げに踏み切るだろうという見方が支配的だった。消費者物価指数のうち基調部分の上昇率がRBAの目標水準を上回っており、インフレ対応の利上げが妥当とみられたからである。

 実際にRBAは0.25%ポイントの追加利上げを決定した。ただ、投票結果は賛成5・反対4の僅差だった。このことは市場にとって驚きだった。追加引き締めが必要だという点では全員の意見が一致したものの、5月の次回会合まで待つべきではという意見が出て、活発な議論になったという。

 RBA以外の主要国の中央銀行は政策金利を据え置いた。次ページでは、その背景を検証するとともに日本銀行を中心に今後の金融政策の行方を予想する。