感じの悪い人は「メール投げといて」と言う。じゃあ、感じのいい人は?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さん。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか?
この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきた「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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無意識の言葉が印象を下げる
仕事に慣れてくると、言葉遣いは徐々に雑になりがちです。
本人に悪気はなくても、その一言が相手に違和感を残すことがあります。
『気づかいの壁』という本では、次のようなエピソードが紹介されています。
店内はほぼ満席で、私たちを見るなり、スタッフさん同士で、「奥に入れる?」と裏で話す声が聞こえてきました。
その後、ランチを食べられたのですが、私のモヤモヤは消えません。
このように、仕事に慣れてくると、つい無意識に乱暴な言葉を使ってしまうことがあります。
――『気づかいの壁』より
この違和感の正体は、「雑な言葉が、そのまま態度に見える」という点にあります。
勢いのある言葉ほど誤解を生む
職場でも同じことが起きています。
特にスピードを重視する現場では、短く強い言葉が好まれがちです。
「この苦情、そっちで処理しといてよ」
「大事な商談だから爪痕を残してこいよ」
このような言い方は、言っている側は勢いにノッているのかもしれませんが、言われたほうはモヤモヤしてしまいます。
――『気づかいの壁』より
これらの表現は、効率的である一方で、相手への配慮が抜け落ちています。
その結果、「雑に扱われている」という印象を与えてしまうのです。
問題は「人をモノ扱いしていること」
では、なぜこうした言葉が不快感を生むのでしょうか。
その本質は、「人をモノのように扱っている」点にあります。
これを日常的に使っていると、傲慢な態度がつい出てしまいます。
お客さまや商品のことを裏で悪く言うと、社内外の人にどう伝わるか、どう捉えられるかわかりません。悪口や陰口に必ずしもみんなが同調するとは限らないのと同じです。
すべての言葉を丁寧にする必要はありませんが、「お客さま」「商品」「取引先」などに関することは、ちゃんと日頃から尊重するようにしましょう。
――『気づかいの壁』より
言葉は思考の表れです。
雑な言葉を使い続ければ、その姿勢は必ず外に伝わります。
「一言の言い換え」で印象は変わる
感じのいい人は、特別に丁寧な言葉を使っているわけではありません。
ただ、「相手をどう扱っているか」が言葉に表れているだけです。
たとえば、「メール投げといて」ではなく、「メール送ってもらえる?」と伝える。
「処理しといてよ」ではなく、「対応お願いできる?」と言い換える。
この程度の違いで、受け取る印象は大きく変わります。
重要なのは、言葉の長さではなく、相手への前提です。
尊重しているのか、それとも単なる作業として扱っているのか。その違いが、そのまま言葉に出ます。
まずは、普段使っている言葉を一つだけ見直すことから始めてみる。
それだけでも、周囲の反応は確実に変わります。
ちょっとした気づかいのコツを身につけましょう。
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。著書に5万部を突破した『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)がある。





