与那国島Photo:Carl Court/gettyimages

【東京】日本の防衛当局は長年、中国の台頭を警戒してきた。軍事基地やミサイル兵器といった中国政府の「力」は、日本の先島・沖縄諸島や奄美群島など、南西地域から見れば特に脅威に映る。

 日本列島は東シナ海へと連なり、台湾の手前110キロメートルほどの地点まで伸びている。台湾をのみ込もうとする中国政府の野心と、この島を軍艦や航空機、ミサイルなどで包囲する 定期的な力の誇示 は、日本の安全保障の中核的課題となっている。中国政府は民主主義を掲げて自治を行っている台湾を自国の領土と主張してきた。

 日本は戦略的な「南西シフト」を加速させている。

 米軍と自衛隊は長らく沖縄本島を拠点にしていた。だが日本は10年ほど前まで、南西諸島の他の島々には防衛網をほぼ敷いておらず、台湾からわずか100キロ余りに位置する最西端の与那国島には、2016年まで駐留部隊を置いていなかった。

 これらの島々は非常に無防備なうえ、台湾に近すぎると、青山学院大学の松田拓也助教は述べた。2022年に中国が台湾周辺で軍事演習を実施した際には、複数のミサイルが与那国島近くの海域に着弾した。もし中国政府が台湾侵攻を決断すれば、中国は台湾防衛のために米国が介入してくるのを防ぐため、日本の南西地域やそれ以遠にある米軍基地や部隊に打撃を与えようとする可能性がある。

 日本が「要塞(ようさい)化」を進めるのは攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)な島しょ部を守るためだが、さらなる利点もある。それによって中国の作戦行動の自由な動きを妨げることだ。松田氏はそう指摘する。中国軍の作戦立案者は封鎖を実施する時、米軍を近づけないために台湾の北側や東側に艦船を派遣する。その際、台湾や米国の対艦兵器ばかりか、日本の対艦兵器も考慮に入れる必要が出てくる。

 日本が 台湾有事の際、関与するのかどうか 、それはどの程度なのかは、厄介な法的・政治的な検討事項に左右されるものであり、その一部は日米安全保障条約に起因する。だがこの疑問は日本国内でより明確な形で問われている。高市早苗首相は昨年、中国が台湾を武力で奪おうとすれば、日本も巻き込まれる可能性があると述べた。