以下が、書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』で紹介している解説と回答です。

与えられた情報を「別角度」で眺める

 解決の糸口が見えないときは、事実の見方を変えることで別の情報を得られないか考えてみましょう。

 まずはAの結果から注目してみます。
 Aは「参加者全員のちょうど真ん中の順位」でした。
 ここからわかることは、「真ん中の順位」が存在したということです。

 つまり、大会に参加した人数は奇数でなければいけません。

参加者が5人(奇数)→3位の人が「真ん中の順位」
参加者が6人(偶数)→「真ん中の順位」がない

 くわえて、各企業から出場している社員は3人。
 すなわち参加者の人数は「奇数かつ3の倍数」を満たす数です。

Bの順位からわかること

 次に、Bの結果に注目します。
 Bは「Aより下の19位」でした。
 これは、「ちょうど真ん中の順位(Aの順位)」が、19位より上になくてはいけないということを意味します。

 ただし、Aが18位という可能性はありません。
 なぜなら18位が真ん中だとすると参加総数は35人になりますが、これは「3の倍数」ではないため、「各企業から3人ずつ参加している」という状況と矛盾するためです。

 つまり、考えられるAの順位として最も大きいのは17位。
 そして、その順位が「ちょうど真ん中」になるということは、参加者としてありえる最大数は33人です。

 これは先ほど判明した「奇数かつ3の倍数」の条件に当てはまります。

Cの順位からわかること

 最後に、Cの順位を見てみます。
 Cは「28位」でした。
 全参加者は「奇数かつ3の倍数(3,9,……27,33,39など)」の人数だとわかっているため、参加者が28人という可能性はありません。

 28より大きくて、条件に当てはまる最小の数は33。
 ということで、少なくとも33人以上の参加者がいるとわかります。

 先ほどの「参加者としてありえる最大数は33人」という事実と組み合わせると、条件を満たすのは「参加者数が33人」の場合のみです。
 そして、各社から3人が参加している。
 よって参加企業は11社です。

<正解>
参加したのは11社

 ということで、AIの回答は正解でした。

この問題からの「学び」は?

 この問題からは、以下の点が学べます。

・言葉の意味を正確に読み取る
 この問題で最も重要なのは、「Aより下の19位だった」という表現の読み取りです。「Aより19位下」と誤解すると、まったく違う答えになってしまいます。論理的思考では、難しい計算よりも、まず問題文の意味を正確に理解することが重要です。

条件を一つずつ絞り込む
 この問題では、「真ん中の順位」「28位の存在」「3人ずつ参加」という条件が与えられています。これらを一度に考えるのではなく、まず参加者数の範囲を決め、次に3の倍数という条件で絞り込むと、候補はすぐに限られます。論理的思考では、複数の条件を同時に処理しようとせず、一つずつ制約を重ねていくことが有効です。

・数字ではなく構造を見る
 この問題は、順位の具体的な数字よりも、「真ん中の順位がある=参加者数は奇数」「1社3人=3の倍数」という構造を見抜けるかがポイントです。論理的思考では、個々の数字に注目するよりも、背後にあるルールや構造を見つけることが、答えへの近道になるとわかります。

 このように、「断片的な情報から別の事実を見抜く力」が楽しみながら得られる問題でした。

(本稿の問題は、シリーズ第1弾『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から抜粋したものです。本シリーズでは同様の「考えるほどに賢くなれる問題」を多数紹介しています)