ストレッチをするシニアの男女写真はイメージです Photo:PIXTA

心も体も陰茎も生涯現役でいるために、男性更年期障害を予防しよう。そのために重要になってくるのが、男性ホルモン「テストステロン」を増やす方法だ。メンズヘルスについて発信する人気YouTuberである看護師マッキーが、指南する。※本稿は、看護師マッキー『メンズヘルスナースがこっそり教える 教養としての射精-下着のナカのヤバい真実-』(ライフサイエンス出版)の一部を抜粋・編集したものです。

テストステロンが減れば
若年層でも男性更年期障害に

看護師マッキーに寄せられたリアルなお悩み
Q男性更年期障害とは何ですか?

看護師マッキーの回答
A男性の体内のテストステロン濃度の低下が引き起こす諸症状を言います。

「64歳男性。男性更年期障害の症状はあいまいで分かりにくい」「54歳男性。男性更年期障害はどこに相談に行けばいいのでしょうか?」という相談をよく受けます。ある調査によると、「50代男性の1割ほどが更年期特有の症状を経験している」ことが分かっています。

 ちなみに、男性更年期障害が対象とする症状について尋ねたところ、ED、うつなどの回答が多くありました。確かに、これらは男性更年期障害の症状の一つではありますが、医療現場ではもっと広い概念としてとらえています。

 では、男性更年期障害のメカニズムや症状について見ていきましょう。みなさんは女性の更年期障害について耳にしたことがあるのではないかと思います。女性の更年期障害は女性ホルモンであるエストロゲンが減少する閉経前後の45歳から55歳の10年間に起こり、閉経後は徐々に症状が和らいでいきます。

 一方、男性の更年期障害はテストステロンが中高年以降緩やかに減少していくことで生じます。ちなみにテストステロンは20歳以降徐々に低下することが分かっています。

 したがって、テストステロンが減れば、若年層でも男性更年期障害を発症する可能性があり、しかもその症状は生涯にわたって続くことさえあるのです。

 もし、みなさんのお小遣い(テストステロン)が毎年年貢のように勘定奉行から減らされるとしたら(想像するだけでも真っ青になりますね……)、おかみの機嫌を損なわないようにしようと手をモミモミするのではないでしょうか?

テストステロン濃度が高い人ほど
2型糖尿病や死亡のリスクも低い

 ちなみに、男性更年期障害の症状の範囲は広く、身体的なものとしては、ED、性欲低下、フレイル・サルコペニア、肥満などがあり、精神的なものとしては、うつ、睡眠障害などがあります。

 また、テストステロンの減少は糖尿病をはじめとする生活習慣病などと関連することも分かっています。「テストステロン濃度が高い人は2型糖尿病のリスクが15%近く低い」ことなどが報告されています。「テストステロン濃度が高い人ほど全般的な日常生活機能レベルが高く、死亡リスクも低かった」ことも分かっており、テストステロンは男性の健康を維持するために必須の要素だと言えるでしょう。