去年まで年収800万円だったのに
手取り月収が14万円!?

 ひとつ目は、59歳時の額面年収は800万円だった人が、60歳で迎える定年以降、額面年収300万円になるケース。月給の振込額に注目していただきたい。なんと20万円を大幅に下回っている。

老後のお金クライシス筆者作成
拡大画像表示

 同じ年収で「ボーナスなし」と「ボーナスあり」の2パターンを試算した。ボーナスの設定条件は、定年前は月収の2カ月分×2回、定年後は1カ月分×2回。

「ボーナスなし」パターンから見てみると、定年前の額面年収800万円の手取りは1カ月当たり約49万円、60歳以降に額面300万円になると、定年直後の手取りは約17万円!

「ボーナスあり」パターンだと、手取り月収は約37万円から約14万円と、半分以下だ! ボーナスいらないから、毎月の手取りを増やしてくれ!と言いたくなるだろう。

 給与水準が大幅にダウンすることに加え、「年収800万円だった頃の住民税」約3万4000円が毎月天引きされることで、手取り額は大きく減る。住民税は1~12月の所得に対しかかるもので、給与で働いている人は翌年の6月から翌々年5月まで毎月天引きされる仕組みだ。

 つまり、「年収300万円の住民税、月約7000円」が天引きされるようになるのは、定年を迎える月にもよるが、翌々年の6月からとなる。

 ふたつ目の試算は、「額面年収1000万円」の人が60歳以降「額面年収360万円」になるケースだ。同じく手取り額に注目したい。

手取り筆者作成
拡大画像表示

「ボーナスなし」の定年前の手取り月収は約61万円。余裕のある暮らしができそうだ。定年後、額面年収360万円になると、やはり20万円を下回り、19万円台。ゆとりなどなく、どう暮らすかが喫緊の課題となる。

「ボーナスあり」だと、手取り月収は約45万円から約16万円まで下がる。新入社員よりも少ない振込額かもしれない。

 額面年収1000万円の住民税は月約5万円。定年後の減った給与から5万円も天引きされることが、手取り額を押し下げる要因なのだ。