ワシントンD.C.のホワイトハウス付近で、イラン戦争に抗議するデモ参加者が集まる中、州兵が通行人に指示を出しているPhoto:Alex Wong/gettyimages

 華々しく始まったイランとの戦争は、弱々しく終わったのだろうか。ドナルド・トランプ米大統領が7日夜に2週間の停戦を発表した後、8日になって冷静に考えてみると、そのように見える。トランプ氏は自身の戦争目的の一部を達成したものの、イランの現体制は依然、ホルムズ海峡における脅威であり、トランプ氏が先週約束したにもかかわらず、仕事は完了には程遠い状況だ。

 トランプ氏とJD・バンス米副大統領は停戦について、イランとの合意が条件になっていると述べたが、トランプ氏自身が戦争終結を望んでいるように聞こえるのは確かだ。トランプ氏は8日の早い時間帯に、「世界平和にとって重要な日だ! イランはそれを望んでおり、彼らはうんざりしている! 同様に、他の皆もそうだ」と自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

 イランが交渉を引き延ばしたら、トランプ氏は本当に爆撃を再開するのだろうか。原油価格へのリスクを考慮すれば、われわれは懐疑的だ。この大統領はすぐに考えを変えることがあるが、これで今回の戦争は終わったように聞こえる。その結果はどうなるのだろうか。

 米国とイスラエルは、イランの核開発計画を昨年6月の攻撃の際よりも一段と弱体化させることに成功した。主要な核施設は再び爆撃されたが、ピックアックス山の地下施設を攻撃しなかったのは失策だった。イラン政権は今や、米国が今後新たな核開発活動を監視し、常に再攻撃が可能であることを分かっている。これは、イランが核爆弾を保有する可能性を抑止する上では、新たに外交文書をまとめるよりも効果が高い。

 約40日に及んだ爆撃は、イランの軍事力とその産業基盤に甚大な損害を与えた。イランの海軍は粉砕され、防空網は失われ、ドローン(無人機)やミサイルの備蓄と生産は大幅に減った。ロシアや中国の支援が見込まれるとしても、この状態からの再建には何年もかかるだろう。

 米国は、自国の損害を最小限に抑えてこれら全てを達成した。米軍の統合軍事作戦がロシアと中国の防空能力に対して示した見せしめ効果を、世界が見逃すことはないだろう。

 最も期待外れな点は、イランがホルムズ海峡に対する脅威であり続けることと、イランの濃縮ウラン備蓄の扱いだ。トランプ氏はこの両方について混乱させるようなシグナルを送っており、それに対してイランは反論している。