トランプ政権“イラン泥沼化”で米経済を襲う「誤算の連鎖」、インフレ再燃や金利上昇懸念のインパクトPhoto:Roberto Schmidt/gettyimages

4週目に入ったイラン攻撃
高騰の原油価格、当面は元に戻らず

 米国・イスラエルによるイラン攻撃は4週目に入ったが、事態は膠着している。

 イラン側には、体制動揺の気配は見られず、戦術的には米国・イスラエルとの正面対決より、中東地域の米国基地・石油施設への攻撃やホルムズ海峡の封鎖によってエネルギー市場を通じてグローバルに混乱を拡大させる形で抵抗を続けている。

 ホルムズ海峡の航行不安の下で、周辺の原油貯蔵施設は満杯に近づき、UAE、クウェート、イラク、サウジなど主要産油国が減産を始めている。

 原油市場は、供給ショックが長引く事態を織り込み始めている。3月23日朝方の時点のWTI先物市場では、期近の5月限が1バレル99ドル、6月限は95ドル台半ばとなっており、市場は、年前半についてはほぼ今と変わらない状態が続くと見込んでいる。ちなみに、12月限は80ドル台半ばであり、イラン攻撃前の60ドル台には当分戻らないとの見立てだ。

 戦争収束の見通しが立たないなかで、トランプ大統領は、地上兵力の追加派遣を決める一方、軍事行動の段階的縮小を示唆するなど、発言は定まらない。「イランが中東周辺国にまで攻撃を行うとは誰も予想していなかった」との発言や、3月31日から予定していた訪中スケジュールを1カ月先送りしたことなどを見れば、米国側に誤算が生じていることは明らかだ。

 だが誤算は軍事面だけではない。原油価格高騰によるインフレ再燃などの懸念は、米国経済やトランプ政権の政策運営にも、いくつかの「誤算」を生むことになっている。