『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「将来やりたいこと」について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

「将来やりたいことは何ですか?」悩む就活生たちPhoto: Adobe Stock

「将来やりたいことはなんですか?」

就職活動では、ほぼ必ず「将来やりたいことは何ですか」と問われます。

その影響もあって、「やりたいことが明確な人ほど優秀だ」という空気が生まれています。情熱を語れる人が評価され、方向性が定まっていない人はどこか劣っているように見られがちです。

しかし、社会に出る前の段階で、自分の進路を明確に言語化できている人は実際には少数派です。

それでも私たちは、「やりたいことがない自分は遅れているのではないか」と不安になります。やりたいことを持っていないこと自体に、無意識の罪悪感を抱いてしまうのです。

やりたいことは「経験の後」に生まれる

そもそも、知らない仕事を好きになることはできません。

仕事の本質は、実際にやってみなければ見えてこない部分がほとんどです。華やかなイメージではなく、日々の地道な業務や責任の重さを体感して初めて、自分との相性が分かります。

情熱は、最初から完成された形で存在するものではありません。多くの場合、経験の中で「意外と面白い」「これなら続けられる」と感じる瞬間が積み重なり、徐々に輪郭を帯びていきます。

「やりたいことがあるから動く」のではなく、「動いた結果、やりたいことが見えてくる」。順番は逆でも成立するのです。

「向いていること」と「やりたいこと」は違う

もうひとつ見落とされがちなのが、「向いていること」と「やりたいこと」は必ずしも一致しないという点です。

やりたいことは主観的な願望ですが、向いていることは他者からの評価や成果を通じて明らかになります。

最初は特別な興味がなかった業務でも、周囲から評価される経験を重ねるうちに、「これは自分の強みかもしれない」と認識が変わることがあります。

得意であることは、自信を生みます。そしてその自信が、後から興味や主体性へと変わることも少なくありません。

好きだから始めるキャリアだけが正解ではありません。向いているから続けた結果、好きになる道もあります。

問うべきは「何をやりたいか」ではない

「やりたいことがない」と悩むとき、私たちは答えを内側から探そうとします。しかし、経験していない世界の答えを、思考だけで導き出すのは困難です。

問うべきは、「何をやりたいか」よりも、「どんな環境なら力を発揮できそうか」「どんな状態なら納得して働けそうか」といった、より具体的な問いかもしれません。

そして何より重要なのは、動きながら修正する姿勢です。仮説を立て、試し、違和感があれば調整する。その繰り返しの中で、関心や方向性は徐々に形づくられていきます。

やりたいことは、どこかに用意された正解ではありません。

「見つけなければならないもの」と焦るのではなく、「試しながら育てるもの」と捉え直してみてはいかがでしょうか。その視点の転換が、不安を軽くするきっかけになるかもしれません。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです