◆ストレスチェックで本音を隠すのはNG! 本当にチェックすべき場所ナンバー1
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】会社の「ストレスチェック」で引っかかった人を待つ“意外な結果”とは?Photo: Adobe Stock

50人未満の事業所でもストレスチェックが義務化へ

今日は、「ストレスチェック」についてお話したいと思います。従業員の精神状態を調べるストレスチェックが、2028年5月までに、これまで努力義務だった「50人未満の小規模事業場」を含む全企業で義務化されます。

ストレスチェックは、2015年12月から50人以上の事業場で義務化されていますが、私が日々精神科の外来で診察をしていると、実際に「会社のストレスチェックで引っかかってしまって……」と受診される方がいらっしゃいます。

しかし、ストレスチェックの内容が医学的に厳密なものかというと、そうではありません。多くの場合は専門の業者が作成したアンケート形式です。それに回答して引っかかった従業員に対し、「念のため一度、精神科を受診してください」などと促す仕組みになっています。

精神科医から見たストレスチェックの実態

予防的な意味合いとしては、この制度自体に異議はありません。ただ、実際の運用面には疑問を感じることがあります。というのも、ストレスチェックに引っかかって来院された方を診察してみると、私が診た限りではほとんどの人が問題ないからです。

特に症状があるわけでもなく、「会社に行けと言われたので来ました」という方がほとんど。もちろんいろいろと調べるわけですが、本当に問題がないことがほとんどで、「ストレスチェックで引っかかったからといって、本当に危ない状態だった」というケースは、今のところ一度も経験していません。

精神科領域における一律チェックの難しさ

体の病気、例えば大腸がんの検診であれば、検便を行って血便があれば「詳しく調べましょう」という明確な流れが作れます。感度や特異度を考慮し、適切なチェック体制をエビデンスに基づいて構築しやすいのです。

しかし、精神科の場合、そうはいきません。精神科医は患者さんの顔色や表情、全体的な様子を見て総合的に診断します。診断基準はありますが、それを満たしているかどうかを判断するのはやはり精神科医の目です。

そのため、アンケートのような形で一律に明文化してチェックするのは非常に難しく、「本当にこれで意味があるのかな?」というのが、現場での正直な実感です。