
直美、「見覚えある男性」に気付く
子どものとき体が弱くて、大人になるまで生きられないと言われていたというシマケンのわりとヘビーな生い立ち。
家の中で寝てばかりだったから、本を読むくらいしかすることなくて、どんどん役に立たない言葉に詳しくなった。
部屋にひとり寝ていると自分だけが取り残されたみたいで寂しくなっていたとき、看病してくれた人の手の冷たさと温かさが「気持ちよかった」ことが印象に残っているとつらつらと回想するシマケンの声はいわゆるウィスパーボイス。耳にやさしいウィスパーボイスも人気キャラクターの条件である。
『半分、青い。』の中村倫也が代表格。今作主題歌を担当しているミセスの大森元貴の歌声もウィスパーの極みだと思う。
迷っているのは、自分への偏見なんじゃない?と、りんの中にナースへのもやもやがありそうだとシマケンは鋭いとこを突いてくる。
彼は単なるウィスパーボイスの優男ではなく、敏い人である。道の向こうからそっとこちらを伺っているあやしい男に気づくと、飛ばした紙飛行機を取りに行くことをカモフラージュにして確認にいく。が、男は逃げる。
「もしかして、民権の女壮士(そうし)でもしてた?それで東京に逃げてきたとか?」とりんが訳ありと感じている。
民権とは自由民権運動の略であろう。『らんまん』にも出てきた。島崎和歌子が「民権ばあさん」役で登場した。
りんは訳ありといっても婚家から逃げてきているだけで、そういう活動とは無関係だ。
「おかげさまで10トンビぐらいです。偏見に気づけたんで」とちょっとすっきりしたように帰っていく。おごってくれた団子を食べないとはもったいない。環(宮島るか)にもって帰ってあげればいいのに。目新しいチョコはもらっていったけどお団子には食指が動かなかったか。
一方、直美も通りを歩いている。窓ガラスに映った髪飾りを見て、にっこり。
「このあたりは昔、母によく連れてきてもらいました」と嘘(うそ)の予行演習をしている。と、目の前に女の人が出てきて、若い男性に絡んでいる。その男性、どこか見覚えがあって……。







