直美の心に火がついた?
小日向(藤原季節)だった!
軍人の格好をしているときの硬派な雰囲気とまったく違って軟派感がハンパない。女性に「春代さんいないと生きていけない」とかなんとか。
そんな彼に直美はつかつかと近寄って声をかける。
場面変わって団子屋の中。たぶん、ここは、さきほど、りんとシマケンがいたところであろう。
「偽名まで使って、軍人のふりをして何が狙いですか?」と直美が迫ると「あんたも嘘ついてるよね、直美さん」と言い返してくる、小日向と名乗っていたが、いまは「欣二(きんじ)」と名乗る男。
なんか盛り上がってきたー。
男は詐欺師だった。そして直美にも同じニオイを感じ取っていた。
なんの財産もないと知りながら直美に近づいたのは、鹿鳴館の中に入れてくれるちょうどいい存在で、中に入り込みさえすれば金持ちで暇な華族の奥様などを何人か見つけ、しばらくは食いつなごうと企んでいたのだ。
荒っぽい団子の食べ方をする男。あの折り目正しい小日向の雰囲気とはまったく違う。これはもう藤原季節の演じ分けがすばらしい。
「あなたのような人は、当然の報いを受けるべきよ。軽蔑する価値すらない」
直美はいつもの英語で非難する。その言葉がわかったのか、だいたい感じとったのか、わからないが、「警察呼ぶなら俺もあんたのこと話すよ」と脅す。
「あんたみたいなクズのせいで、親のいない子が石投げられんのよ。見下されんのよ」
今度は日本語で言い返す直美。悪口ではなく、ちゃんと伝えたい大事なことだからだろう。
男は直美にも親がいないと知って共感を覚えたようだ。彼もまた貧しくて社会からはみ出してしまい、仕方なくこんなことをやっているのだろう。
直美に団子をおごると去っていく。そのとき「寛太」と本名を明かす。
直美にも本名を聞くが、彼女は黙っている。
教えたくないか、と言いながら髪飾りにふと触れる寛太。この男、かなりのたらしである。
名前も親の顔も知らない直美だから、本名なんて知るよしもない。
バキ!寛太が消えたあと、かんざしを激しく折る。その泣き笑いの表情が鮮烈だった。
この悔しい体験が直美の心に火をつけた。
直美は、捨松(多部未華子)に鹿鳴館を辞めると伝える。
「旗本の娘ではありません」と告白するが、捨松は「それは、今さらですわ」とさらり。知っていながら雇ってくれていた。それは身の上話の辻褄(つじつま)をあわせるように助言していたときにわかっていたことだ。どこまでもすてきな捨松。
「それでも、自分から打ち明けなければ、詐欺師と同じになってしまう」という直美。「正しいことが大嫌い」と言っていたけど、ほんとはそんな人ではないようだ。
「どれだけ着飾って、自分を偽っても、所詮私は他の人にはなれないって。痛いほどわかったんです。でも、私に戻っても何もない。そのこともよく分かりました」
どんなに化けても本質が何もないそのむなしさに、寛太を見て直美は気づいた。ひどい男ではあったが、良き反面教師になった。
詐欺師・寛太は今後も何かと出てくるのだろうか。出てきて直美と絡んでほしい。
直美と寛太の悔しい別れの余韻もなく、もう一波乱起こる。相変わらず15分にぎゅうぎゅう詰め。これって配信で続けて見ていたらそのまま次を見て止まらなくなるだろう。配信によって各回の終わりとはじまりの概念が大きく変わってしまったと筆者は感じる。まさにテレビ番組には御一新が起きている。









