薄気味悪いけど…佐野晶哉が「朝ドラ人気キャラの条件」にドンピシャなワケ〈風、薫る第18回〉『風、薫る』第18回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて12年目の著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第18回(2026年4月22日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

りん、シマケンに団子をおごられる

 りん(見上愛)と直美(上坂樹里)の今日の共通点は、通りをぶらぶらと団子屋と裏稼業。

 まず、りん。

 通りをりんが歩いている。その足元に紙飛行機が落ちる。シマケン(佐野晶哉)が投げたものだ。

 彼はそうやってりんを止めると「正体不明の男だけど、団子くらいはごちそうできます」と団子を注文する。

「まともなふりしてくたびれたから、1トンビしてたとこ」と自分の近況を話すシマケン。

 1トンビとは?

 トンビを飛ばす程度にモヤモヤが晴れること、という意味の彼の造語である。

 ワンフォースパワーは日本語で1馬力。1秒間につき、どれくらいの重さのものを動かせるのかを馬を使って表した単位。蒸気機関車などに使われる。と早口で説明するシマケン。ここで蒸気機関車(美津<水野美紀>が聞き間違えたトレイン)が出てくるのがにくい。

「トンビを飛ばすと少し気持ちがすっきりするでしょう。何の解決にもならないけど」と、わかったようなわからないようなことを言って、うれしそうに笑うシマケン。やや薄気味悪い。いささか差別的だが、顔がいいのと清潔感があるから許される。

 この手の頭がよすぎてへんなキャラクターはドラマによく出てきて、わりと人気が出る。朝ドラでも、過去に多くの人気キャラクターが登場した。

『梅ちゃん先生』の松岡(高橋光臣)、『ごちそうさん』の西門(東出昌大)、『まんぷく』の萬平さん(長谷川博己)、『おかえりモネ』の菅波(坂口健太郎)などが代表的であろう。

 りんは、「私、折り紙得意なんです」と紙飛行機を折り直し、飛ばす。

 それはひゅーっときれいに飛んだ。

 シマケンが追いかけていくと主題歌がはじまる。

 オープニングが明けると、お茶とお団子が運ばれてくる。

 ナースになることを迷っているとシマケンに吐露するりん。それはナースがまだ偏見の目で見られそうであるからだ。

 ここでシマケンの長い長い身の上話がはじまる。