『出世する人は相談を受けた際に「急ぎですか?」と言わない』
そう教えてくれるのは、これまで800社以上を支援してきた「働き方」の専門家である越川慎司氏だ。815社の17万3,000人を対象に、カメラ、ICレコーダーによる記録、会議データ、メールやチャットの履歴などのデータを分析したところ、「出世が早い人」と「出世できない人」の意外な違いが見えてきたと言う。
その特徴をまとめたのが、書籍『会社から期待されている人の習慣115』だ。ベストセラー『世界の一流は「休日」に何をしているのか』の著者が、今度は「評価と行動の関係性」を解き明かしたと話題に。「こんなことが重要だったのか!」といった驚きが溢れる同書から、内容の一部を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

職場で出世する人は相談を受けた際に「急ぎですか?」と言わない。その深すぎる理由Photo: Adobe Stock

「急ぎですか?」と聞いてしまっていないか

「今ちょっといいですか?」

 そう声をかけられたとき、「急ぎですか?」と聞いてしまう人は少なくない。

 緊急度合いを把握して、優先順位を判断しようとするのは当然だ。

 しかし、この一言が、知らないうちに「相談の芽」を潰している可能性がある。

 800社以上を支援してきた「働き方」の専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』の中で、下記のように書いている。

「急ぎですか?」と聞くと相手は「いえ、今度で大丈夫です」と遠慮してしまう
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

 では、忙しいときは相談に対してどう返せばいいのだろう。

 同書では、「会社から期待されている人たち」の共通点として、こう紹介している。

ときには、すぐに対応できないこともあります。そんなときは、相談者にまず「何分くらい必要ですか?」と尋ねます。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

相談を丁寧に扱う人に、情報と信頼が集まる

 なぜ期待されている人たちは、ここまで相談を大切にするのか。

 同書では、その理由について次のように指摘している。

相談される人には、自然と情報と信頼が集まります。情報が集まるということは、意思決定の精度が上がるということ。結果的に仕事の成果も上がります。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

 さらに、新規事業の起点について調査したところ、60件以上の事例のうち28件が、会議室の外での「今ちょっといいですか?」という相談から始まっていたそうだ。

 相談は、単なる雑談ではない。
 新しいチャンスやイノベーションの入り口でもあるのだ。

期待されている人の76%が「もちろん」と返す

 実際、相談への対応の違いは、結果にもはっきり表れているという。

 同書では、次のようなデータが示されている。

調査によると、期待されている人たちは「今ちょっといいですか?」と声をかけられる頻度が一般社員の7.5倍にのぼることがわかりました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

 これは偶然ではない。

 ・デスク周りを整理する
 ・椅子の角度を少し周囲に開く
 ・視線が合ったら軽くうなずく

 こうした細かい動作によって、話しかけやすい雰囲気を作り出していたそうだ。

 そして当然、実際に相談が来た際は、積極的に受け止める姿勢を示している。

「ちょっといいですか?」と言われたとき、彼らの一言目の76%は「もちろん」でした。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

「急ぎですか?」と聞いて相手に気を遣わせるか、「もちろん」と言って受け止めるか。

 その小さな違いが、信頼の差になり、情報の差になり、やがて出世の差になっていたのだ。

(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の内容を一部引用して作成した記事です。書籍では、こういった「会社から評価されている人たちの共通点」を115個紹介しています)