『職場で出世した人の37%は「メールの署名欄」に特徴がありました』
そう語るのは、これまで800社以上を支援してきた「働き方」の専門家である越川慎司氏だ。815社の17万3,000人を対象に、カメラ、ICレコーダーによる記録、会議データ、メールやチャットの履歴などのデータを分析したところ、同世代より出世が早い「期待されている人たち」の意外な共通点が見えてきたと言う。
その特徴をまとめた書籍『会社から期待されている人の習慣115』の発売が決定。ベストセラー『世界の一流は「休日」に何をしているのか』の著者が、今度は「一流は、評価される“前”に何をしてきたのか」を解き明かした。「こんなことが重要だったのか!」といった驚きが溢れる同書から、内容の一部を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

職場で出世する人だけがやっている「メールの署名欄」の工夫・ベスト1Photo: Adobe Stock

相手に合わせて「署名欄」を使い分けている

 期待されている人378名を調査したところ、37%にあたる140名が、メールの「署名」を複数パターン用意していることがわかりました。

 比率としてはそれほど高くありませんが、一般社員362名で調査した際はわずか3名(0.8%)しかいませんでしたから、ここには有意な差があると言えます。

 具体的には「社内用」「社外用」「カジュアル用」と、目的に応じて切り替えていました。

 社内用は部署名や内線番号を強調した連絡しやすいものに。社外用は会社ロゴや肩書を整えて信頼性のある印象に。そして社内の友人や若手向けにはカジュアル署名を用意して親近感を出すなど、使い分けていました。

 スマホ用とPC用で署名を最適化している人もいます。
 スマホ用は短くシンプルにして「移動中のため簡潔に失礼します」と一文を添える。PC用では、肩書やリンク、丁寧な文言を加えて信頼感を補強する工夫がされていました。

署名欄に「最近の関心事」を入れている

 そもそも、入社時に設定して以来、署名欄を変えていないという人が大半ではないでしょうか。

 一方で、2,878人のメールデータを解析したところ、期待されている人たちはメールの署名欄を頻繁に書き換えていることがわかりました。

 特徴的だったのは、「最近の関心:生成AIと業務効率化」とか「週末はハーフマラソンの練習中!」など、最近の関心事を署名に小さく入れている人が多いことです。

 雑談のようですが、これを見た相手が「じつは私もランニングしてるんです」と返してきて、そこから親近感が生まれ、メールが人間味のあるやり取りに変わっていくことも多いそうです。

署名欄は「自分を知ってもらう場所」になる

 ある総合商社の最年少人事マネージャーは、署名に「今週のひとこと:挑戦をやめない」と入れていました。すると意外にも「その言葉に励まされました」という返信が返ってくることが多く、取引先との関係が深まったそうです。

 また、署名を告知欄のように使っている人もいました。

 たとえば「次回の社内勉強会はこちら→」「新しいプロジェクトブログを更新しました→」とリンクを置くなど、押しつけがましくなく情報が伝わるようにしていました。

 実際、署名にリンクを仕込んでいた人のなかで社内で情報のハブとして認識されている人の比率は、一般社員における比率の1.5倍というデータもあります。

 会社から期待される人は、署名を人間関係を広げるためのメディアとして捉え、戦略的に作っていたのです。

(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の内容を一部抜粋した記事です。書籍では、こういった習慣を115個紹介しています)