売り上げを伸ばすツムラの「死角」とは?中国依存と米国長期投資の実情ツムラの現本社は年内で見納め、新時代へ Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 国内漢方最大手・ツムラでは社長の定年を内規で定めており、それは65歳であったと記憶している。12年に、ツムラの再建に身を削って尽力した芳井順一前社長の後を継いだ加藤照和社長も、早いもので今年の夏で63歳を迎える。治世としては15年目に入り、そろそろ業界雀たちがポスト加藤について喧しく語り始めだす頃だろう。

 規制当局との密なリレーションに薬価の上げ下げを託し、中国とのパートナーシップに原料の生殺与奪権を委ねるツムラにおいて、その経営者には漢方ビジネスに関わる深い知見は当然として、政治的な機微の力も必要条件として課せられる。ポイと出の“プロ社長”には適するとは言い難いポストであるだけに、順当に考えれば、国内事業全般を現在幅広く見ている杉井圭取締役COO(医療用医薬品カンパニープレジデント)が次の社長として昇進することになるのだろう。

 タイムスケジュールが予め定められた社長交代を首尾よく済ませるには、Xデーまでに、経営課題をできうる限り解決しておくことが望ましいことは語るまでもない。これまでの統治で、大きな錯誤を引き起こさなかった加藤社長にとって、これらの整理が最終ステージにおける優先課題となる。