全米でガソリン価格の上昇が家計にますます重くのしかかっているPhoto:Anadolu/gettyimages

 どちらの原油価格が正しいのだろうか。このところ原油1バレル当たりの現物価格は、金融市場の原油相場が示す水準を大幅に上回っている。

 10~30日先に実際に現物で受け渡される北海ブレント原油の価格を反映する指標「デーテッド・ブレント」は、13日時点で1バレル=132.74ドルに上昇した。ブレント先物(期近物)の終値は1バレル=99.36ドルだった。ブラック・ゴールド・インベスターズのゲーリー・ロス最高経営責任者(CEO)によると、これら二つの価格の乖離(かいり)は歴史的な規模になっている。石油市場でこれほど大規模な混乱や、今後の展開を巡るこれほどの不透明感が生じたことはこれまでなかったという。

 要因の一つとして挙げられるのは、原油市場における深刻な現物不足だ。こうした状況は、スポット価格と先物価格のスプレッド(差)を拡大させる傾向がある。S&Pグローバル・エナジーのデーブ・アーンズバーガー社長は先月、先物期近物の取引環境は実際のところ、時期と物理的現実の両面で現物とかなり異なっていると語った。先物価格は必ずしもスポット価格に収束するわけではないという。