ドイツ最大級の製油所の一つゲルゼンキルヒェン製油所ドイツ最大級の製油所の一つゲルゼンキルヒェン製油所 Photo:picture alliance/gettyimages

ホルムズ海峡封鎖の打撃度「定量化」
イラン攻撃1カ月、注目は停戦交渉の行方

 米国、イスラエルによるイラン攻撃は3月28日で1カ月を迎えたが、戦闘終結の出口は見えないままだ。

 原油や天然ガスの輸送の要路のホルムズ海峡の封鎖で、原油価格(WTI先物価格)は、一時、1バレル=119ドルまで高騰、その後も、戦闘の情勢や停戦協議をめぐりさまざまな情報が流れる中で乱高下をしている。

 トランプ米大統領は、26日、イランに停戦圧力としてかけていた主要発電所などへの攻撃期限を4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)に再延期すると表明したが、イラン側が停戦に応じるかどうかは不明だ。

 米国内でもガソリン価格高騰などで批判が強まり、攻撃停止など収束に向けた動きも報じられたなかで、トランプ大統領は4月2日、攻撃開始後、初めて公の場で会見したが、「戦略目標はほぼ完遂しつつある」と成果を強調する一方で、なお「2、3週間は攻撃を続ける」とし、出口戦略は示さなかった。

 ホルムズ海峡の実質的な封鎖の影響は、非常に大きく、原油価格がどれだけ上昇するのか、価格高騰の不安が付きまとう。

 今回の“ホルムズ危機”を定量化すると、海峡で輸送される原油や液体燃料の減少は日量1300万バレルに達する。

 各国は協調して石油備蓄でこれを緩和するが、海峡封鎖による落ち込みを補うには明らかに不足しており、世界全体の供給の10%減というショックが市場に残る。

 現状の状況が続けば、WTI先物価格は1バレル=90ドル付近で高止まり続く見通しだ。イラン情勢が緊迫化する前の水準(1バレル=60ドル弱)の1.5倍である。

 しかし、閉鎖が長引いた場合により深刻なのは、在庫や精製能力に限界があるナフサなど個別石油製品の不足が各国の関連産業や生活にじわじわ波及していくことだ。

 今後のホルムズショックの影響拡大は、停戦交渉次第だ。まずは、いつ米国が軍事作戦を停止するかがカギとなる。