オールバーズの時価総額はかつて40億ドルに上ったPHOTO: CAROLYN FONG FOR WSJ
テック業界に人気のスニーカーを作っていた企業が、テック業界に参入しようとしている。
その企業とは米 オールバーズ で、同社は15日、社名をニューバードAIに変更し、人工知能(AI)チップを搭載した高性能サーバーを購入してアクセスを貸し出すと発表した。AIを取り巻く熱狂に乗じることが狙いだ。発表を受けて同社の株価は582%上昇した。
驚きの転身を発表したオールバーズ以外にも、カラオケ会社やアイスティーメーカー、 イーストマン・コダック など、経営不振にあえぐ企業が注目の新興業界に活路を見いだそうとした例は多い。
かつて時価総額が40億ドル(現在のレートで約6400億円)に上ったオールバーズだが、数週間前に保有資産の大半を3900万ドルで売却することで合意している。これまでの名前を売るから新社名が必要になったというわけだ。
AI業界への転身に向けて5000万ドルを調達するとのオールバーズの発表を受け、同社の株価は15日、前日終値の2.49ドルから16.99ドルに急騰した(5月の株主総会で事業売却と事業転換、社名変更が承認されるまで社名は変わらない)。しかし15日にこれだけ値上がりしても、株価は2021年の新規株式公開(IPO)価格を90%超下回っている。
しかもAI業界では5000万ドルで大したことはできない。クラウドコンピューティング企業 コアウィーブ は今年、事業拡張に300億~350億ドルを投じる予定だ。いわゆる「ネオクラウド」業界の企業としては比較的規模の小さい ネビウス も今年、160億~200億ドルの投資を予定している。供給不足のチップには資金豊富な企業が群がっており、当初の軍資金が5000万ドルのオールバーズは長い行列の最後尾に並ぶことになりそうだ。
「5000万ドルの投資は微々たるものだ」。投資銀行ウィリアム・ブレアの専門小売業担当アナリスト、ディラン・カーデン氏は顧客向けメモでそう指摘した。「これはどう見ても一か八かの賭けだ」







