Photo:Sophie Park/gettyimages
また始まった。ドナルド・トランプ米大統領は15日、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し、5月15日の任期満了時にFRB理事職からも退かない場合は解任すると、改めて脅しをかけた。この脅しは虚勢かもしれないが、自滅的でもある。これが大統領の習性になりつつあることに、読者はもう気付いているかもしれない。
トランプ政権はFRB本部改修費の予算超過を巡りパウエル氏を刑事捜査の対象としているが、これが裏目に出ていることにトランプ氏はいら立っている。恐らくそのせいで同氏は、15日のFOXビジネスとのインタビューで感情を爆発させ、以前よりも強くパウエル氏に解任の脅しをかけたのだろう。
トランプ氏は、パウエル氏が議長任期満了時にFRBを去らないなら「解任せざるを得ない」とし、「以前から解任したかったが、物議を醸すのは嫌だった」と述べた。とてもそうは思えない。トランプ政権は、FRB本部改修工事を巡る刑事上の不正行為に関して何の証拠もないままでっち上げの刑事捜査を行い、パウエル氏を辞任に追い込もうとした。
しかし、パウエル氏は譲らず、捜査の結論が出るまでFRB理事の職を辞さないと宣言した。パウエル氏の理事としての任期(議長としての4年の任期とは異なる)は、2028年1月まである。つまり本人が希望すれば、あと2年理事を続けられる。トランプ氏はこのことを知っているから、パウエル氏の解任をちらつかせているのかもしれない。
その場合、トランプ氏が昨年、ジョー・バイデン前大統領が指名したリサ・クックFRB理事を解任しようとした時のように、法廷闘争が起きるのは避けられないだろう。トランプ氏は、改修費の超過が、連邦準備法に基づいてパウエル氏を解任する「正当な理由」になると主張するかもしれない。トランプ氏は15日、費用超過は「無能ぶり」を表していると述べることで、その論拠を準備しているように見えた。







