株価は、投資家の期待が集まり、企業が利益を出し、その結果さらに期待が高まる、という流れの中で上がっていきます。もちろん、期待が先に膨らみすぎれば、どこかで調整が入ることもあります。

 それでも、歴史を振り返ると、株価はそうした調整を繰り返しながらも、長い目で見れば上昇してきました。PERが高いというだけで、すぐに投資をやめる理由になるわけではありません。

「50代・60代での株式投資は危険」は
本当なのか?

財布を持ってお金について考える男性写真はイメージです Photo:PIXTA

 また、S&P500の上位10社が、指数全体の35~40%を占めているという偏りを問題視する意見もあります。

 本来500社に分散されるべきものが一部の企業に集中しすぎているという指摘ですが、これも最初から意図して偏らせているわけではありません。S&P500は、業績に応じて企業が自然と入れ替わる仕組みになっています。

 上位企業の比率が高くなっているのは、それだけ業績を伸ばしてきた企業が多いということです。実際、S&P500はこれまでも、一部の強い企業が全体を引っ張る形で伸びてきました。そう考えると、今の偏りも直ちに問題だとは言い切れません。

 さらに、「若い人はいいが、50代・60代での株式投資は危険だ」という年齢による決めつけもよく聞きます。ただ、年齢という一つの基準だけで投資スタイルを制限するのは、体重だけで似合うファッションを決めるようなものです。

 身長190cmの80kgと、身長140cmの80kgでは同じ体重でも全く意味合いが異なるように、投資も保有している資産額、将来もらえる年金、家族構成、健康状態、毎月の生活費などを総合的に見なければ、その人にとってのリスク許容度は測れません。

 つまり、世間でよく語られる不安材料の多くは、それ単体で投資から完全に撤退する理由にはなりにくいのです。