2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』が刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容をもとに、抜粋・再構成して特別公開する。

組織の違和感Photo: Adobe Stock

価値観とずれたサインを見逃さない

 仲が良さそうに見えるけど、なんか変だな……

 組織の中で、そんな風に感じることはありませんか?

 些細な気づきだったとしても、それが後になってやっぱりそうだった、と思い返すこともあるかもしれません。

 会社の不祥事など取り返しのつかないことが明るみに出てからでは、「あのとき言っていれば」といった後悔は後の祭り。

 あなたが気づいた違和感はまったく「気のせい」ではなく、自分の経験則や主義と照らし合わせて、大事な価値観とずれた、というサインなのです。

違和感を無視する訓練としての社会性

 ですが、それをそのまま表明することは難しくもあります。

 私たちは、率直に感じたことを出すことのないように教育され、社会に順応してきました。

「自分のことがわからない」「やりたいことも楽しいこともわからない」というのは、まさにその副産物です。

 でも本当は、「ん?」と引っかかることがあるのなら、いったんその違和感を受け止めたい

 思えば、生まれて3~4歳ぐらいまでって誰もが違和感の塊だったと思うのです。その年齢の子は、「なんでなんで」ってずっと言っていますよね。

 でも次第に学校で「こういうものだ」というのを植えつけられて、家でも「いつまで言ってるの」と怒られたり。そうするうちに、あるときから何も言わなくなってしまう。

 今の私たちが生きるのは、違和感を無視する訓練をしつづけた先の社会です。「小さいことにくよくよするな」「いつまでそんなことで泣いてんだ」って言われてきた、マッチョな世界。

 でも、わかりやすいものしか問題として認定しないのは、わかりやすくなるまで悪化を待つことに他なりません

「できない人は辞めればいい」なんて、そんな簡単な話じゃない。結局みんなでやらなきゃいけないのは変わらないのですから。

 それを無視できる強さのある人だけが頑張るとなると、組織は分断まっしぐら。

 だから、みんなで解決策を練ろうではありませんか