ミスは米国のDNAに刻まれている。クリストファー・コロンブスは新世界を発見したとき、欧州からアジアへの西回りの航路を見つけようとしていた。そのときから米国は幸運の国であることを繰り返し証明してきた。偶然の出来事をうまく活用することで世界を変える数々の発明が生み出された。心臓病患者の寿命を延ばした発明もあれば、人間の食事のあり方を根本から変えた発明もある。退屈した指がつぶして遊ぶ小さな気泡もそうだ。「人々はあり得ないことがいかにあり得ないかを過小評価している」。南カリフォルニア大学ビジネススクール教授で「セレンディピティ 点をつなぐ力」の著者のクリスチャン・ブッシュ氏はそう話す。偶然、神の導き、まぐれ当たり、幸運。これを何と呼ぼうとも、250年の間、発明を生み出してきたのは風呂に漬かったアルキメデスではなく、作業場の職人や研究室の科学者だった。彼らは失敗を受け入れ、生かしてきた。