人生を変えたい。そう思ったことはないだろうか。今のままでは物足りない。もっと成長したい。けれど現実には、何から手をつければいいのかわからない。いきなり大きな挑戦なんてできないし、失敗も怖い。結局、何も変えられないまま時間だけが過ぎていく。
では、どうすればいいのか。『会社から期待されている人の習慣115』の著者であり、815社・17万3000人の働き方を分析してきた越川慎司氏と、『仕事ができる人の頭のなか』の著者であり、累計195万部を突破したベストセラー作家の木暮太一氏による対談に、その答えがあった。それは、特別な才能でも難しいスキルでもない。むしろ、誰にでもできる。しかし、多くの人ができていない“シンプルすぎる習慣”だった。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「人生がうまくいく人」が必ずやっている“シンプルすぎる習慣”・ベスト1Photo: Adobe Stock

「人生がうまくいく人」が必ずやっていること

越川慎司(以下、越川):木暮さんとは、もう6年以上のご縁になりますね。

 私が2019年にマイクロソフトを辞めて3年目のころ、本を3冊出していたんですが、ヒットと呼べるものがなくて。1万8000部とか2万部とか、そのくらいの時期でした。

 もっと本を出したいと思っていたときに、たまたまウェブサイトで木暮さんの出版アカデミーを見つけたんです。セミナーに参加して、そのまま五反田の会場でその場で月額会員に申し込んで、結果的に3年半、塾生として通いました。

 その塾生期間中に13冊の本が決まったので、私にとって木暮さんは本当に師匠です。

木暮太一(以下、木暮):そうでしたね。あの頃はコロナ前でしたから、五反田の教室に60人くらい集まってやっていました。

 越川さんは言われたことを本当に素直にやってくれましたよね。

越川:「20社に企画書を送りなさい」というアドバイス通りに、本屋さんに行って本を読み込んで、指示通りに20社に送りましたよ。

 でも周りを見ていると、それをやっている人がほとんどいなかったんです。

 3社とか5社には送っていたんですが、20社まで送っている人はほぼいなかった。

木暮:そうなんですよ。行動しない人は結果が出ないというのは、当たり前のことなんですが、実際に動けない人がものすごく多い。

 考えすぎて動けないか、失敗することへの恐怖が先に来てしまうか。

 あるいは、そもそも本を読んでいないのに本を出したいという方が意外なほど多くて。

 年に1冊しか読まないのに出版したいとおっしゃる方が塾に来るんです。

越川:それは私も驚きました。

 木暮さんのメソッドでは、まず競合書籍を読み込むことが大前提ですよね。でもそこで止まってしまう人がいる。

木暮:ギター弾いたことない人がギターを作りたいとは言わないでしょう、という感覚ですよね。

 ただ、最近はそこに寄り添う形でプログラムを組み直しました。

 競合本を最初に読んでくださいと言うと、そこで止まってしまう方が多いので、切羽詰まった段階で読む流れにしているんです。

「いったん動ける人」が、うまくいく

越川:行動できない人というのは、多いですよね。

 その原因のひとつに、「完璧主義」があるのだと思います。

 一方で行動できる人というのは、「70点」の段階でも動ける人なのだと思います。

『会社から期待されている人の習慣115』でも、こんな調査データを紹介しました。

 調査によると、期待されているリーダーたちの75%は、決断が早く、すぐに行動に移すことを重視しています。
 彼らは一般リーダーより17%も取り掛かりが早く、途中で修正する頻度が40%以上も多いこともわかりました。
 失敗したくないから、慎重に判断したい。もう少し情報が揃ってから決めたい。正解がわかるまで動けない……。
 多くのリーダーが、完璧な答えを求めるあまり動き出しが遅れ、結果的にチャンスを逃してしまいます。
 一方で期待されているリーダーたちは、正解を見つけてから動くのではなく、動きながら正解に近づいていたのです。

――『会社から期待されている人の習慣115』より

 完璧じゃなくてもいいから、いったん動いてみる。

 これが、人生を前に進めるために大事なことなのだと思います。

(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の著者・越川慎司さんと、『仕事ができる人の頭のなか』の著者・木暮太一さんによる対談をもとにした書き下ろし記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。

木暮太一(こぐれ・たいち)

言語化コンサルタント・作家・(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事

著作累計68冊、累計195万部突破。14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。