
「うそつきでブサイク」「不幸ぶってブサイク」
しのぶ「こんな意地悪な人に看護婦なんてできるのかしら?」
直美「服に憧れてきた道楽娘にだけには言われたくない」
りん「どんなに動機が不純でも看護婦になりたいと思うなら、私たちは同志です」
りんの「不純」という言葉に反応する玉田。
「暮らしやお金のために、看護婦になりたい方は、そう言うしかないですよね」
それぞれの言うことにいちいち誰かが突っかかっていく。現代だとSNSのようである。
泉喜代(菊池亜希子)「人を救済する看護婦にふさわしくありませんよ」
東雲「救済というのは少し傲慢では? 私に言わせれば皆さん不純です。ナイチンゲールは、ランプの貴婦人と呼ばれ、戦地の病院の闇の中、深い慈しみを持って、傷病兵の看護に当たりました。その優しさに、ふだんは乱暴な兵士が、苦しみにもだえていた兵士が、まるで素直な子どものようにおとなしくなったと言います」
まったくまとまらない。
険悪な状況はせっかくの休日にまで続く。お嬢様がたはさっさと外出し、残ったのはりんと直美とトメ。りんは自分の家に来ないかとふたりを誘うが、またそこで一悶着が……。
直美の粗暴な言動にりんが耐えかねて、「直美さん うそつきでブサイク」「不幸ぶってブサイク」とパワーワードを炸裂させた。
「直美さんがどんな生まれで、どんな育ちをして、どんだけ苦労してきたかなんて、病やケガに苦しむ人たちにとっては、どうだっていいんじゃないですか?」
看護婦になんならもう少し人に優しくあってほしいと、目的を優先すべきだとりんは主張する。
「あなたもそれなりに苦労しているようだけど、家老の娘だって言えば、周りはコロッと優しくなる。仕事もすぐに見つかって、辞書までたやすく手に入る」と直美は視聴者が思っているようなことを指摘。りんの言うことは「ただのきれいごとにしか聞こえない」と反発する。
こうしてりんと直美とトメは休日、別々に行動することになった。
ひとりになった直美が髪を切った日を回想する。彼女がただのきつくて意地悪な人物ではないことがこの場面でわかる。
泣きながら髪を切っていると、吉江(原田泰造)が来て、驚きながら、切る手伝いをしてくれる。
「こんなにキレイなのに、こんなにキレイなのに」と泣きながら切る吉江。
女子たちがキツイ分、吉江の善性が癒やしである。
ここで、このドラマで唯一の善人な気がする吉江を演じる原田泰造のコメントを紹介しよう。
――吉江善作役のオファーを受けたときのお気持ちは?
「オファーをいただいたときはうれしかったです。以前に出演させていただいた『ごちそうさん(2013―2014)』が大阪制作だったので、いつか東京制作の“朝ドラ”にも出てみたいと思っていたし、大河ドラマ『べらぼう(2025)』に出演しているとき、メイクルームの裏が“朝ドラ”チームのメイクルームで、『今どんな撮影をしているんだろう』と気になっていたんです。
牧師役を務めるのは初めてだったので、まず聖書を読んだり、街の教会で礼拝に参加してみたりしました。当時の牧師という存在はみんなに歓迎されているわけではなく、白い目で見ている人たちもいたはずです。それを分かりながらも笑顔で炊き出しなどの活動をし、喜んでもらえるとうれしい。笑顔だけではない側面も伝わればいいなと思って演じています」







