初対面で「なんとなく苦手だ」と感じる人がいる。その違和感は、あとになって理由がはっきりすることも少なくない。『人生は「気分」が10割』の著者、キム・ダスル氏の新刊『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本稿では、ライターの柴田賢三氏になぜか周囲に煙たがられている人についてのエッセイをご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

「なぜか周囲から煙たがられている人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「いけすかない」が第一印象

 不動産業界にいた頃、ある大口の仕事を仲介してくれた人物がいた。

 岡本さん(仮名)という人で、初対面のときから私の“妖怪センサー”が反応していた。40代前半の彼は、「いけすかない」という単語が服を着て歩いているような男だった。

 いつも白いTシャツにジャケット、スニーカーで、髪型も人気バンドのボーカルのような“ナルシストわけ”。当然、腕時計はロレックスだ。

 どんな偉い経歴の持ち主なのかは知らないが、誰にでも上から目線のタメ口で、自分は仕事ができるという雰囲気を無理やり押し付けてくる。

 彼に心酔しているという後輩の田口くん(仮名)からの紹介だったが、実は田口くんも私は苦手なタイプだった。

 この2人、もとは同じ会社に勤めていたそうで、田口くんが先に辞めて転職し、岡本さんも間もなく退社して自分で起業する予定だと聞いていた。

 岡本さんに指定されたおしゃれなカフェで打ち合わせをしていると、田口くんが言った。

「先輩みたいな人が辞めるって言ったら、会社もびっくりしたでしょ。慰留されるのを断るのも面倒くさいですもんね。僕のとき、大変でしたもん」

 すると、一瞬だが岡本さんの目が泳いだ。

「おう、俺も大変だったよ」

 あとで分かったことだが、岡本さんは左遷を言い渡されて反発。「それなら自分で会社をやりますよ」と、経営陣を脅したつもりがあっさりと受け入れられ、引っ込みがつかなくなって退社に追い込まれたというのだ。

まずは「カッコ悪さ」を受け入れる

 “人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は期待ゼロがうまくいく』の中には、「自分の『カッコ悪さ』を受け入れる」という項目がある。

 著者のキム・ダスル氏は、「人気者と呼ばれる人」の特徴として、これを挙げている。

3.自分のカッコ悪さを受け入れている
 その人は、見栄を張ったり、無理にカッコつけたりしない。いつも自然体で、肩の力が抜けている。自分を大きく見せようとする人の虚勢は、なぜか周囲にバレるもの。そんなハリボテとは長く付き合えない。
――『人生は期待ゼロがうまくいく』(p.124~125)

 案の定、岡本さんは社内で煙たがられていたようだ。キム氏は、「人気者と呼ばれる人」の共通点を他にもいくつか挙げているが、どれも岡本さんとは真逆のキャラだ。

 その後岡本さんは大口の取引先との間に立ってくれたのはいいが、とにかく「ホウレンソウ」すら、ままならない。なぜか、クライアントは彼を信頼していて大きなトラブルにはならなかったが、仕事が終わるまでヒヤヒヤしっぱなしだったことを今でも思い出す。

(本記事は『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した書下ろしエッセイです)

柴田賢三(しばた・けんぞう)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。