中東情勢の緊迫が続くなか、ホルムズ海峡の封鎖という異常事態が現実のものとなり、世界のエネルギー供給は大きく揺らいでいる。日本のような非産油国では調達不安が高まる一方で、産油国側でも原油を売れず「オイルマネー」が滞るという問題が浮上している。事態はどこまで長期化するのか、そして日本のエネルギーや投資環境にどんな影響が及ぶのか――住友商事グローバルリサーチのチーフエコノミスト本間隆行氏に、その実態と今後のシナリオを聞いた。 (丸山紀一朗、ダイヤモンド・ザイ編集部)
非産油国がエネルギー調達に苦心する裏で
産油国側が「オイルマネー」を手にできない問題も
――1973年の第1次オイルショックや1979年の第2次オイルショックの時ですら、ホルムズ海峡は封鎖されなかったですよね?
本間隆行さん●住友商事グローバルリサーチ チーフエコノミスト。1991年明治大学政治経済学部経済学科卒業。外資系非鉄金属先物取引会社、商社系コモディティ先物取引会社を経て、2009年住友商事(株)入社、コモディティデリバティブ取引、ニッケル現物・先物取引を担当、2014年住友商事グローバルリサーチ(株)へ転籍、2015年4月よりチーフエコノミスト、現在に至る。日本貿易会・貿易動向調査委員会委員(2014年度~)、日本経済団体連合会・経済情勢懇談会委員(2015年度~)、資源エネルギー庁・原油価格研究会委員(2017年度~20年度)、防衛省・防衛研究所非常勤講師(2016年度~)、福岡大学商学部非常勤講師(2019年度~21年度)、SBI金融経済研究所客員研究員(2018年度~)、日本経済調査協議会・第二次地政学委員会委員(2025年度~)など。
本間隆行(以下、本間) そうです。オイルショックの時は、産油国が原油の生産量を減らしたので「原油の出(で)が悪い」くらいの話。「ホルムズ海峡封鎖」が現実的なリスクと捉えられるようになったのは、2001年の米同時多発テロ以降だと思います。
ただ、実際のところ、ホルムズ海峡を封鎖してしまうとイランなど産油国側にとっても輸出入ができなくなる。となると、封鎖して誰が得するのか、ということでこれまで実現はしなかったわけです。
――封鎖が現実になってしまった今、実際に産油国側は困っていますか?
本間 非産油国である日本などがエネルギーを調達しづらくなっている裏側で、産油国側は原油を売って受け取るはずだったお金、いわゆる「オイルマネー」がもらえない、という問題が起きています。
最近、オイルマネーには陰りも見えていました。米国によるイラン攻撃がなくても、これまでの原油価格の下落に伴う資金不足で、サウジアラビアの巨大都市開発プロジェクト「NEOM(ネオム)」が縮小されるくらい、すでに調子は良くなかった。それが、今回のホルムズ海峡封鎖で原油代金の支払いがなくなり、経済にさらなる悪い影響が出ないか心配です。



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