悩みを解決するのではなく……

コンプレックスを根本から解消しようと躍起になるのは、あまり生産的とはいえません。容姿の悩みに対してメイクやダイエット、筋トレなど、できる範囲で努力するのは良いことですが、上を見ればきりがありません。また、学歴のコンプレックスを解消するために、今から大学に入り直すというのも現実的ではない場合が多いでしょう。

根本的な問題を抱えたまま、ただ「コンプレックスがあるから」「他人と比較してしまうから」という点にばかり原因を求めていると、同じ環境や状況をズルズルと繰り返してしまいます。大切なのは、悩みそのものをどうにかしようとするのではなく、「自分がどうなりたいのか」という自分の目標に意識を鞍替えし、そこに集中することです。

思考ではなく「行動」を中心に据える

まずは、純粋に自分がやりたいこと、やるべきことを洗い出し、自分のための行動を繰り返していくことが重要です。自分自身を振り返ることは大切ですが、頭の中だけで自分のことばかり考えていると、コンプレックスを刺激する「思考」に囚われてしまいます。体を動かして「行動」を中心にすることで、目の前のことに集中でき、「頭がお暇」な状態になりにくくなります。

他人と比較すること自体は、無理にやめようとしなくても大丈夫です。「やめなければ」と思うほど、やめられない自分に対してさらに自己肯定感が下がるという悪循環に陥るからです。ネガティブな感情は無理にコントロールしようとせず、比較してしまう自分を認めつつも、それはいったん「脇に置いておく」のがコツです。

立ち止まって自分にこう問い直してみる

私自身も、実は強いコンプレックスを抱えることがあります。そのような時は、精神科医としての目の前の仕事にしっかりと取り組みつつも、「自分は本当は何をしたいのだろう」と問い直すようにしています。

かつて「文章を書いて人に読んでもらいたい」という自分のコアな気持ちを見つけた時も、いきなり本を出すという遠い目標ではなく、「まずはブログを書いてみよう」と小さなことから始めました。

自分のコンプレックスや自己否定の感情はそのまま脇に置き、純粋にやりたいことに向かってちまちまと行動を積み重ねていく。その結果として少しずつ自信が生まれ、いつの間にかコンプレックスが弱まっていくものなのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。