ご存じのように、衆院選で大勝したが、この公約の実現はかなりハードルが高い。昨年11月時点で高市首相自身が述べているように、システムの改修に1年以上かかる。今年中に国民会議の結果が出ても1年以上かかるのであれば、実施されるのは2028年。しかも、2年限定なので2030年に再び消費税を8%に上げなくてはいけない。
つまり、食品消費税をゼロにしてわずか1年、2029年ごろからは元の8%に戻すためのシステム改修の準備をしなくてはいけないのだ。
この間、物価はどんどん上がっていく。そんな焼け石に水的な政策に、どれだけの人件費や労力がかかるのかと想像するだけでも「アホくさ」と脱力してしまわないか。
このような「現実」とかけ離れたその場しのぎ的な発言を見ていると「ポピュリズム」という言葉が頭をよぎってしまうのは筆者だけではないはずだ。
「首相になったら何がなんでも靖国参拝します」と言えば、保守からの熱烈な支持は得られる。しかし、あれほど党内基盤も国民的人気もあって史上最長の政権を誇った安倍元首相ですらアメリカにガツンと叱られた以降、一度も行けていないのだ。なぜそれを党内基盤が弱い自分はできると思ったのか。
「消費減税します」と言えば、確かに国民は喜ぶ。しかし、レジ改修で1年以上時間がかかることはハナから知っていたのだから、これがぬか喜びだということを首相もわかっていたはずだ。
ついでに言えば、コロナ禍で時限的な消費減税をした欧州でも「減税分が貯蓄に回ってしまい、期待されたほどの経済効果は出なかった」とする分析が出ている。なぜそんな「即効性も有効性も不透明な政策」を「悲願」だと、自分自身のクビを絞めるかのようなことを言ってしまったのか。
もしかしたら、高市首相は「国民の期待に応えたい」という一心で、後先考えずにポロッと口をついてしまったのかもしれない。
首相就任直後のチヤホヤしていた論調とうって変わって、最近は「孤独」「人に会わず官邸にこもっている」「疲れ切っている」などと高市下げ論調も増えてきた。これは支持率70%(FNN調査)の国民人気と対照的に、永田町や霞ヶ関では首相のネガ情報をメディアに流す輩が増えているということである。
そんな逆風に「靖国行く行く詐欺」や「減税も結局レジ問題でグダグダ」で批判が高まれば、身内や側近からも「反高市」の動きが出てくる。
「高市さんってこれまでの首相と違うって期待が大きかった分、なんか裏切られたって感じだよね。冷静に振り返ってみるとやったことって、石破さんや岸田さんとそんなに変わらないじゃん」
国民の間で、そんな「ガッカリトーク」が盛り上がることがないよう、高市首相の「有言実行」に期待したい。








