バブル崩壊前は200円台であったわけで(1970年は300円台)、個人的には2011年の震災で記録した1ドル80円台割れを経て40年にわたる超円高時代が終わり、長期的な円安の逆回転が始まったのではないかと感じています。

グラフAI Generated/Google gemini
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インフレに乗れるか、インフレを食らうか
決定的な違いとは?

 本当に危険なのは、「イラン情勢が落ち着けば、また元に戻る」と思い込むことです。

 今起きているのは、一時的なショックではなく、輸入依存の日本経済、円安の物価押し上げ、企業の値上げ容認、賃上げ圧力――そうしたものが重なった結果の、私たちの前提そのものの変化です。そして何より、空気を読む日本社会全体のマインドセットが変わりました。

 円だけ持っていれば安全だった時代は、もう終わりつつあるのです。

 私は今の時代、こう考えています。

「インフレ局面では、資産を持つ人はインフレに“乗れる”が、持たない人はインフレを“食らう”」――。

 株、不動産、金、外貨建て資産などを持つ人は、名目価格の上昇や収益の価格転嫁の恩恵を受けやすい一方で、現金中心の人は物価上昇によって購買力を削られてしまいます。しかも富裕層は、生活に追われて資産を売る必要がないため、相場の上下に耐えながら円預金以外の資産を持ち続けることができます。インフレ局面で「金持ちはさらに金持ちに」が起きやすいのは、このためなのです。

 また、インフレの歴史を振り返ると、金利上昇による一時的な株価の下落は「よくあるもの」ですが、最終的には通貨安に反比例するように株価の上昇がもたらされています。

 30年続いたデフレ的発想は終了しており、いまだ経験していない未曾有のインフレ時代にすでに突入しています。われわれは今、「インフレに乗れるのか、インフレを食らうのか」という分岐点にいるのです。