飛行機ならファーストクラス、新幹線のグリーン車や高級なハイヤーでの移動。宿は1人1泊数十万円の超高級旅館。夕食は懐石料理に超高級ワイン、翌朝も豪勢な朝食コースというものでした。

 家族ぐるみの付き合いの時の旅行ではなかったことで、恵子さん夫妻は、夫の親の遺産が入っても、ぜいたくをせず堅実に暮らしていました。夫の遺産を引き継いだ恵子さんも、夫の生前と同じような生活を望んでいました。

 贅を尽くしたがる美和さんに意見をすると、ヒステリーを起こされ、さらに、恵子さんが立て替えた旅行代金を美和さんに請求すると「いずれ払う」というものの、結局支払われることもなく、気が付けば旅費だけではなく、日頃の食事代など生活費もほぼ恵子さんが負担していました。

 美和さんの言葉に、恵子さんは「はい」しか言えない空気に、気付かないうちになっていたのです。

「今ではいつの間にか合鍵を作って、勝手に家に上がっていることもあり、鍵を替えることも恐ろしく、面と向かって自分の意見が言えないんです。美和さんの過干渉をやめさせたいんです。何か恐ろしいことをたくらんでいる気もするんです」

 恵子さんは震える声で核心を語りました。

自宅に超小型カメラを設置
録画されていた衝撃的な映像

 私はこの相談を受け、恵子さんご本人の明確な同意を得た上で、実態を把握するために恵子さんの自宅に記録機器を設置することにしました。

 恵子さんの話から、美和さんが隠しカメラを疑って家の中を細かく探している気配があったため、私はあえて電気の傘(シーリングライトのカバー)の内側という、意外な場所に人感センサー付きの超小型カメラを設置しました。

 このモデルは、人が通ったり動いたりすると自動で反応し、部屋全体を高解像度で撮影できる、発見が極めて困難な最新型です。

 すると、衝撃的な映像が録画されていました。

 恵子さんがトイレや入浴で少し席を外した隙に、美和さんは素早く立ち上がり、今は亡き夫が使っていた部屋に入り、遺品箱から通帳・実印・金庫の鍵を取り出して、スマホで写真を撮影し、詳細にメモを取っていました。