恵子さんが友人とのランチを予定すると、美和さんは「その日は私があなたの家に行くからキャンセルして」と勝手に予定を変更させ、恵子さんが何をするにも美和さんは「私が全部手伝うから、あなたは私の言う通りにして」と過度に口を出すようになったそうです。
さらには「夫との思い出の場所に旅行に行こうと思うの」と言うと、美和さんは「私が一緒じゃなきゃ危ないから」と自分の予定を押し付け、強引に同行を決めてしまうのです。
まるでクモの巣に絡め取られるように、恵子さんの生活は少しずつ美和さんの影響下に置かれていきました。
ある日、美和さんは優しい笑顔でこう言いました。
「あなたは方向音痴だから待ち合わせ場所を見つけるだけでも大変でしょ? お互いの位置が確認できるアプリを入れておくと早く会えるし、その分お話もたくさんできるわよ。あなたを妹のように思っているから、心配なの」
恵子さんは何の疑いもなく、その位置情報共有アプリをスマホにインストールしました。
しかし、数カ月が過ぎた頃から、恵子さんは心の奥底で凍りつくような違和感を覚え始めました。
美和さんはいつも笑顔でこう言うのです。
「恵子、今日あの店のカレーを食べたでしょう? 私はあまり好きじゃないわ。今度私の好きなお店に行きましょう。あなたも絶対気に入るはずよ。私がいないとあなた一人だと失敗しちゃうんだから」
恵子さんが話していないはずの情報まで、美和さんは完全に知っていました。恵子さんが反論すると、美和さんはヒステリックに声を荒らげることも増えました。
「心配・大切」という優しさが「支配」へ
1泊2日の温泉旅行に120万円の費用負担
美和さんが常々使う「心配・大切」というその「優しさ」は、徐々に恵子さんの支配へと変わっていきました。
夫が親から継いだ土地と遺産など数億円を恵子さんが相続すると、美和さんの様子が変わっていきました。
1泊2日の温泉旅行だけで120万円ほどを使うことも珍しくありませんでした。







