◆注目のテーマ株に飛びつく前に知っておくべき「周辺投資」
ゴールドマン・サックスでアジアのトレーディングチームを率いた後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。マーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」など実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!

AI・半導体株はもう遅い? プロが次に見る地味だけど有望な「裏方銘柄」Photo: Adobe Stock

視野を広げる株式投資ノウハウ

株式投資において、「AI(人工知能)」「半導体」は近年、投資テーマとして注目を集めています。しかし、すでにその圧倒的な成長性が世の中で広く認知されている今、関連のど真ん中である銘柄は株価が上がりきっていることも少なくありません。

「今からメインの銘柄に投資しても、高値づかみになるのではないか」と悩む個人投資家の方も多いでしょう。そこで投資のヒントとなるのが、大きな成長テーマから「波及して好影響を受けるビジネスモデル」を探すというアプローチです。今回は、AI・半導体株ブームを例に、投資の視野を広げるノウハウをお伝えします。

成長テーマの「周辺・インフラ」に目を向ける

メインのテーマが盛り上がると、必ずそれを裏から支える周辺産業の需要が拡大します。たとえば、AIの爆発的な利用拡大を受けて、膨大なデータを処理・保管する「データセンター」の需要が急激に伸びています。

また、AI向け半導体の王者であるエヌビディアと取引がある日本企業など、サプライチェーン(供給網)に組み込まれている裏方銘柄も改めて見直されています。

「風が吹けば桶屋が儲かる」連想ゲームで探す

さらに一歩踏み込んで連想してみましょう。高度なAIの学習や巨大なデータセンターの稼働には、「大量の電力」を消費します。そのため、一見するとITとは無縁と思われがちな「電力・ガス関連の銘柄」にまで恩恵が及んでいます。

電力を安定的に供給するための送電網や、変圧器などの電力インフラを扱う企業の業績も、今後の大きな成長が見込まれています。

地理的な波及効果から「地方のお宝株」を見つける

波及効果は、産業だけでなく特定の「地域」に現れることもあります。象徴的なのが、台湾の半導体大手であるTSMC(台湾積体電路製造)の動向です。同社が熊本県菊陽町の第1工場で量産を開始したことにより、工場建設や雇用創出を通じて九州全体の経済が大きく活性化しています。

その結果、地元企業の資金需要や個人の住宅需要が高まり、九州を地盤とする「地方銀行などの金融機関」の業績向上にまで結びついているのです。

誰もが知るメインストリームの銘柄をただ追いかけるだけでなく、「その技術が普及したら、次に何が必要になるか?」「どの地域が潤うか?」連想を広げることが大切です。この波及効果を狙う視点を持つことで、他の投資家が見落としている有望な「お宝株」を見つけ出すことができるはずです。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。