『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)は、7000人の脳を診察し、3000本以上の論文を読破した脳の専門医が、科学的根拠に基づいて「一生ボケない脳のつくり方」を徹底解説した1冊。【血圧】【食事】【睡眠】【速歩】【呼吸】【お酒】の習慣術で、100歳まで健やかな脳を育てるノウハウを紹介する。
※本稿は、『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が教える】認知症を防ぐ、あまりにシンプルで意外な対策Photo: Adobe Stock

非常にシンプルで強力な対策

「最近、人の名前がパッと思い出せない」「以前より集中力が続かなくなった」

こうした日常の不安を、ただの「加齢のせい」と片付けていませんか? 実は、私たちの脳の健康を脅かす最大の敵は、もっと身近で、もっと静かに潜んでいます。それは「高血圧」という名の、音もなく時を刻む爆弾です。

そこで、将来の認知症や脳卒中を防ぎ、脳の寿命を延ばすために私たちが真っ先にとり組むべき、非常にシンプルで強力な対策についてお話しします。

7割の人が「防衛線」を放棄している衝撃の現実

高血圧という爆弾を処理するために最も大切なこと。それは、「自分の血圧を毎日測る」という習慣です。

ダイエットをしたい人が、一度も体重計に乗らずに痩せようとするのは難しいですよね。それと同じで、脳の最大の敵である高血圧と戦うには、まず「敵の正体」である自分の血圧を正確に把握しなければ話になりません。

しかし、驚くべき調査結果があります。2024年のプロジェクト(出典:『2024 PROTECT HEARTS PROJECT』)によると、20~50代の実に70%もの人が、「健康診断や人間ドック以外で血圧を測るのは年1回以下、あるいは一度も測ったことがない」と回答しているのです。

脳神経内科の現場に立つ医師から見れば、この無関心は悲痛なほどの危機感を抱かせます。なぜなら、血圧を測らないということは、自らの大切な脳を守るための「最前線の防衛線」を、みすみす放棄していることに等しいからです。

なぜ「血圧」が脳の寿命を左右するのか?

血圧が高い状態が続くと、脳の細い血管には常に過剰な圧力がかかり続けます。すると血管は傷つき、弾力を失ってボロボロになっていきます。これが進むと、ある日突然血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して、取り返しのつかない事態を招きます。

恐ろしいのは、そうした大きな発作が起きる前段階でも、血流の悪化によって脳細胞が少しずつダメージを受け続け、それが「物忘れ」や「認知機能の低下」として現れることです。血圧管理は、心臓病を防ぐためだけではありません。「あなたらしさ」を守るための最重要課題なのです。

今日から始める!「脳を守る」血圧測定のノウハウ

脳の寿命を縮めないために、今すぐできる具体的なノウハウをご紹介します。

「家庭用血圧計」を相棒にする
腕帯(カフ)を巻くタイプが最も正確でおすすめです。まずは「自分の今の数値」を知ることからすべてが始まります。
「朝・晩」の決まったタイミングで
血圧は1日の中で大きく変動します。起床後1時間以内(排尿後、朝食前)と、就寝前のリラックスした状態で測る習慣をつけましょう。
「1回の数値」に一喜一憂しない
大切なのは、日々のトレンド(傾向)を知ることです。記録をつけることで、食事や睡眠、ストレスがどう血圧に影響しているかが見えてきます。

「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信や無関心が、ある日突然の悲劇を招く引き金になりかねません。10年後、20年後もクリアな頭で、あなたらしい豊かな毎日を過ごすために。まずは明日から、脳を守る「防衛線」をしっかりと張り直してみませんか。

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。