面接中の女性のイメージ画像写真はイメージです Photo:PIXTA

建前とウソが交錯する「就活の闇」。面接はただ企業から合否をジャッジされるだけの苦痛な場だと思っていませんか? しかし採用コンサルのプロによれば、世の中には「たとえ不採用になっても悔いはない」と候補者が感動する“究極の面接”が存在するといいます。候補者の人生すら変えてしまう「4つの神質問」とは? そして、その質問を機能させるために面接官側に絶対欠かせない“ある必須条件”の正体に迫ります。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

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候補者も面接官も表面的
「就活の闇」の根源

 採用面接というと「企業側が優秀な人材を見極め、合否を決める場」と思われがちです。しかし、今の採用市場で、この発想のままでいる限り、本当に良い人材は採れません。というのも、今は売り手市場だからです。面接官もまた候補者から評価されています。

 候補者が人生観を振り返って、理想の生き方・働き方に気づくきっかけを得る――いい面接とは、採否を決めるためだけではなく、候補者がこの面接を受けてよかったと思える体験を提供できるものです。

 そして面接官自身も、候補者の話を聞き「なるほど、こういう考え方があるんだな」と知り、成長できること。採用という枠を超えて人生まで変えてしまう面接こそが理想の面接であり、そこで交わされる問いが「神質問」と呼ぶべきものです。

 私がコンサルタントとして関わってきたなかで「いい意味で、あれは面接じゃなかった」と語る人に出会ったことがあります。1時間の予定が2時間になっても互いに話し足りないような面接のことです。受かっても落ちても「この時間に価値があった」と感じられる場をつくることが、面接官の本当の役割だと思っています。

 しかし現実の面接では、候補者は「何と答えれば受かるのか」を計算しながら、社会的に望ましいと思われているきれいごとを並べることに終始します。

 面接官も同様です。普段は「自分で考えて動ける人」「尖った個性のある人」がほしいと言っているくせに、候補者を前にすると「御社の理念に共感しました」「社会に貢献できる仕事がしたいです」という表面的な受け答えのうまい候補者を選んでしまう。

 双方が不毛なやりとりだとその空虚さを理解しつつ、建前と建前で話をする面接というシステムに乗り続けている。まるで、両者が見えない外圧に自分の考えを矯正され、自分ではない何者かを演じる。これは就活における闇と言ってもよいでしょう。

神質問を成立させる大前提
「心理的安全性」の作り方

 この闇から抜け出すには、心理的安全性に基づいた対話が必要です。面接の場で本音が語られない最大の理由は、候補者がジャッジされているという前提で話すからです。この前提がある限り、どんなに深い問いを投げかけても、候補者は予定調和的な答えを選び続けます。

 だからこそ面接官は最初に「この問いは評価のためではなく、相互理解のためにある」という土台を築く必要があります。

 具体的には、十分なアイスブレイクを行い、なぜこれを問うのかという問いの意図や背景を丁寧に説明し、面接官自身もその問いに答えられることが条件になります。「私はこう考えていますが、あなたはどうですか」と問うことで、初めて候補者も自分の根底にある価値観や信念を自問することができ、双方向の対話が生まれます。