成長の起点は海外にあり
一次情報を取りに行く組織の強さ
このピョートル1世の大使節団の物語から連想されるのが、日本の明治初期に行われた「岩倉使節団」の派遣です。岩倉使節団は、不平等条約の改正という外交上の使命だけでなく、先進国を視察し、その後の国づくりの参考にするという重要な目的を持っていました。
実際に、この視察を通じて明治新政府のメンバーは、ヨーロッパの先進国を中心に新しい国家モデルを見出し、帰国後の国家運営に活かしました。その結果として、日本は急速な近代化に成功したのです。
海外の現地を視察し、一次情報を得ることがその後の成長や発展につながるのは、決して国づくりに限った話ではありません。企業における新規事業の立ち上げなどでも、海外企業の視察が大きなヒントになるケースは数多く存在します。例えば、私たちが普段利用している総合スーパーやコンビニエンスストアといった業態も、アメリカでの現地視察をきっかけにして日本国内で大きく発展したことで知られています。
殻を破れない企業は伸びない
リーダーに求められる責任と行動
一方で、国を閉ざしてしまうと国家や社会が停滞に向かうことは、かつての日本の鎖国政策や、現代における外交的に閉鎖的な国家の事例を見ても明らかです。
これは企業においても全く同じことが言えます。社外や海外など、外の世界へ目を向けようとしない組織は、やがて停滞や衰退を免れません。自分たちの殻に閉じこもるのではなく、外部へと広く目を向け、自ら現地に足を運んで肌で体感すること。それこそが、これからのリーダーに強く求められる重要な役割の一つなのです。
※本稿は『リーダーは世界史に学べ』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。















