ソフトバンク・柳田悠岐選手福岡ソフトバンクホークス・柳田悠岐選手 Photo:SANKEI

一流の選手でも、失敗や不調は避けられない。それでも福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐や近藤健介、中村晃は、第一線で活躍し続けている。その背景には誰でも身につけることができるリカバリーのスキルがあるという。その考え方と具体的な方法を、ホークスのメンタルコーチが解説する。※本稿は、伴 元裕『集中力革命 ブレても力を発揮するメンタルの技術』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。

普段通りに振る舞おうとするほど
大事な場面で結果を出せない

 人はなぜ、大事な場面になると普段通りに振る舞えなくなるのか。なぜ、良かれと思ってかけた言葉や工夫が、思ったような結果につながらないことがあるのか。

 そうした問いは、理論の中から生まれたというよりも、現場や実践の中で繰り返し観察されてきたものでした。こうした積み重ねの中で、「メンタルをどう扱うか」という視点も、少しずつ整理されてきました。

 これまで主流だったのは、思考や捉え方の中身に目を向けるという視点です。どう考えれば不安が解消され、落ち着くのか。どう捉え直せば前向きになれるのか。思考を整えることで感情や行動を安定させようとするアプローチは、多くの場面で実際に役立ってきました。

 一方で、その見方だけでは、さらに問題を生み出しうることも、次第に見えてくるようになりました。考えないようにしようとするほど、その考えが頭に浮かんでしまう。整えようと意識するほど、注意が別の方向へ向いてしまう。

 そうした限界が見えてくるなかで、現場や研究の見方も少しずつ変わっていきました。