「一応見ておきたい」――その軽い一言が、部下には重い追加業務になる。しかも、出させた資料を見ない、反応しないでは信頼は一気に削られる。あなたの“念のため”は、本当に必要な仕事ですか。
SNSでビジネススキルについて情報発信を行い、総フォロワー数が37万人を超え、『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった、誰でも「しごでき」になれる令和リーダーの基本を本記事で紹介します。

「一応見ておきたい」で仕事を増やさない
「念のため、あの営業実績を見ておきたい」
「一応、A君の行動を把握しておきたい」
このような「○○しておきたい」という言葉を、日常的に使ってはいないでしょうか?
上司と部下の間には、明確な権力勾配があります。
上司が軽い気持ちで発した「一応見ておきたいな」という独り言レベルの願望も、部下にとっては「絶対的な業務命令」として響きます。
普段の業務で手一杯の部下が、あなたのその一言のために、他の重要な仕事を後回しにし、残業をしてデータをまとめ、資料を作成する。
「上司が知りたいと言っているから」という一心で。
つまり、上司は「一応○○しておきたい」という言葉一つで、いとも簡単に部下の時間を奪ってしまうのです。
「作らせて見ない」はありえない
最大の問題はここからです。
「しておきたい」という動機は、裏を返せば「必須ではない」ということです。
そのため、部下が必死に作成した資料が提出されても、上司はパラパラと見るだけ。
ひどい場合は「ああ、そこに置いといて」と言ったきり、中身を見もせずに放置することが日常茶飯事です。
受け手である部下の気持ちを想像してみてください。
人間は、自分の行動に対して「反応」を求める生き物です。
貴重な時間を削って作った成果物が、誰の役にも立たず、評価もされず、ただゴミ箱行きになる。
これほど部下の心を折る行為はありません。
「あの上司に頼まれても、どうせ見ない」
「真面目にやるだけ損だ」
こう思われた瞬間、部下からの信頼はゼロになります。
その後、上司がどれだけ重要な指示を出しても、「また思いつきで言っている」と聞き流され、報連相は滞り、チームの反応速度は劇的に低下します。
「依頼」と「フィードバック」はセット
部下の時間を奪うなら、それ相応の覚悟を持たなくてはなりません。
明日から、誰かに何かを依頼する際は、以下の2点をセットで実行してください。
①必ず「リアクション」をとる
提出されたら即座に確認し、「見たよ、ありがとう」と伝える。これだけでも部下は「無駄ではなかった」と思えます。
②「フィードバック」をする
単なるお礼だけでなく、「このデータのおかげで、会議で説得力のある説明ができた」「この部分は次の戦略に活かせるね」と、その成果物がどう役に立ったかを伝えます。
もし、「忙しくて見る暇がない」「確認すら忘れてしまう」ような依頼であれば、それは最初から「不要な業務」だったということです。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』から一部を抜粋・編集し作成しました)














