ついスマホを見始めたら何時間も経っていて、「私、一体何やってたんだろう……」と後悔することはありませんか。そんな「時間が溶ける日々」と決別する秘策が詰まった1冊が『脱スマホ術──「何もせず1日が終わった」がなくなる』です。著者の戸田大介さんは、500万DLを突破したアプリ「集中」の開発者。アプリ開発で得たデータやユーザーの声をもとに、無理なくスマホ時間を減らすコツをストーリー形式でわかりやすく解説しています。本稿では、発売を記念して、まえがきの一部を抜粋、再編集して紹介します。

偶然ではないこと
「やるべきことがあるのに、ついSNSや動画アプリを見すぎてしまう」
こういったとき、「このままではいけない」と感じられる方は少なくありません。
自分に厳しい方だと特に。
しかしそんな方に、ひとつ知ってもらいたいことがあります。
そのようにスマホを見てしまうのはすごく当然のことで、私たちはふつうに生きていたら、どうしてもそうなってしまうということです。
気休めなどではなく、本当に。
・そもそも人の脳は「未来のための努力」より「目の前の快楽」を選びやすく
・SNSや動画アプリは、強い快楽をいくらでも生むことができて
・現代人はただスマホを開くだけで、いつでもその快楽にアクセスできる
私たちは24時間、このような強い誘惑の中で生きています。
そしてスマホを開くたびに脳は「スマホを開く → 快楽が得られる」と学習し、依存を深めるのですが、これが少ない人でも毎日70回ほど起きます。(少ない人で1日70回くらいはスマホを開くので)。
その結果、私たちはただふつうにスマホを使うだけで依存してしまいます。
このことは統計的にも明らかで、スマホ依存はその人個人に原因がある問題というよりも、「ふつうに生きていれば人はそうなる」という宿命に近い、と言った方が正確かもしれません。

スマホ時間の6パーセントが変わったら
平均的な人が一生でスマホを見る時間は、14.4年あります(詳細は、後述)。
このような話は何かと不安を煽ったり、説教の種にされたりとネガティブな文脈で使われることが多いようですが、落ちついて事実を見ていくと、むしろかなり前向きに捉える余地があることに気づきます。
・仕事の時間とちがって、自分しだいで自由にできる
・睡眠時間とちがって、ある程度減らしても副作用もない
・それでいて、大きな変化を生める莫大な量がある(14.4年=12.5万時間)
このうちほんの一部でも自分のために使うことができたら、私たちはどれだけ前に進めるでしょうか。
たとえば日本でいちばんむずかしい試験とされる、司法試験。
合格には8,000時間の勉強が必要と言われているので、(単純に考えると)先ほどのスマホ時間の約6パーセントを勉強に使えたら、合格レベルに届く計算になります。
なんとなく可能性を感じますね。
一生でスマホに費やす時間
「自分は毎日こんなにスマホを見ていたのか……」
ご自身のスマホの利用時間を確認してもらうと、かなりの方がおどろかれます。
1日あたりのスマホ時間は少ない人で3時間、多い人だと8時間を超えます。
平均的な人でも、5時間を超えるのが実態です。

15歳でスマホを持ち、平均寿命の84歳までの69年間、毎日5時間スマホを見るとすると、合計時間は14.4年(12万5,925時間)。
平均的な人でも一生のうち14年以上、じっとスマホを見て過ごす計算になります。

※本記事は、『脱スマホ術──「何もせず1日が終わった」がなくなる』を抜粋したものです。
戸田大介(とだ・だいすけ)
山形県出身。新卒で電通アイソバー(現・電通デジタル)に入社。データアナリストとして勤務したのち、bondavi株式会社を創業。データと行動科学の知見をもとに、人の前向きな行動を引き出すアプリの開発に取りくむ。全アプリを広告なし・無償で提供し、ユーザー任意の寄付により運営している。『継続する技術』『集中』は国内有数のヒットとなり、累計ダウンロード数は1000万を超える。著書『脱スマホ術』『継続する技術』。








