クルーズ船「MVホンディウス」が今回の航海に出る前日、乗組員たちは南極への玄関口として知られるアルゼンチンのリゾート地ウシュアイアで集まって夕食を取っていた。「一つのテーブル、九つの国籍、一つの壮大な旅」。同船のシェフ、ハビル・モラエスさんは3月31日、インスタグラムにこう投稿した。オーシャンワイド・エクスペディションズ社が運航するこのクルーズは今、死者を出したハンタウイルスの集団感染に巻き込まれている。3人が死亡し、他に少なくとも5人が感染している。保健当局や航空会社は、ウイルスのさらなる拡散を食い止めようと躍起になっている。クルーズは密接な空間のため、感染症のリスクが伴う。ホンディウスには医師1人が乗船していた。ただ、今回の感染は特に起こりにくいものだった。げっ歯類が媒介し、ヒトからヒトに感染することがまれな病原体が、150人未満の乗客を乗せた船で広がったのだ。