「これ、お願い」。上司から仕事を与えられたものの、意図や理由がよくわからないまま、とりあえず手を動かす……そんなやる気の出ない瞬間はないだろうか。書籍『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)では、世界一流のエンジニアがモチベーションを上げて仕事を達成するために「必ずやっていること」が描かれている。著者は外資系IT企業で日本オフィスを経て、現在は米国本社でプロダクト・マネージャーとして働く福原たまねぎさん。同書から一部を抜粋して紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局)
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いろんな人から質問攻め
『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)
世界一流のプロダクト・マネージャーの仲間たちは「そもそもそのプロジェクトをやるか否かを判断する」という作業に時間をかける。
具体的には、プロジェクトの意図やインパクトを理解するために、ものすごい数の質問をする。
たとえば誰かが新しい機能についてチームに提案をしたとしよう。すると彼らは「なぜやるか?」を深く理解して自分自身が納得するために、何度も何度も質問する。ディスカッションは「理解し尽くす」ためにやるという姿勢を見てとることができる。
よく分からなければ、たとえ目上の人に対してでも「今の所ちょっと分からなかったです」と質問する。見ていてハラハラすることもしばしばだ。
職位が上のチームのリーダーはもちろんのこと、同僚のプロダクト・マネージャーをはじめ、年下のエンジニアたちも徹底的に「なぜやるのか?」と詰めてくる。ぼくもアメリカで働き始めたばかりの頃はいろんな人から質問攻めに遭い、骨が折れた。
説明した末に……
彼らにあるのは、「ちゃんと理解するまでは合意しないし手もつけない」という共通認識だ。
優秀なエンジニアであるカボチャくん(仮名)と仕事をしたときも例外ではなかった。とある仕事を依頼したら、彼は「どうしてこれをやるべきなのか?」と繰り返し聞いてきた。カボチャくんは大学を卒業したてでぼくよりも10歳以上年下だが、彼にとってはそんなことお構いなしだ。
チームのミーティング中には埒が明かず、個別に時間を作って彼に丁寧に説明した。はっきり言って「めんどくさいな……」と思ったけれど、辛抱強く説明した。
するとだ。カボチャくんは納得がいったらしく、笑顔になった。
「理解した。そういうことか。ありがとう! あとは任せて」
そこからのカボチャくんの活躍はとてつもなかった。すさまじいスピードで開発を進め、ぼくが依頼していた以上の素晴らしい機能まで提案してきた。そしてカボチャくんが開発したプロダクトはリリース後にお客さんから高い評価をもらった。
納得している人は最強
この経験で腑に落ちたことがある。
それは「内容を理解して、自分がやることに納得している人は最強」ということだ。
仕事の意義に納得しているからこそ、モチベーション高く仕事をするし、困難があってもやり遂げる。ゴールを明確に理解しているから、代案や新しいアイデアまで出せる。
理解には手間と時間がかかる。だけどそこをクリアして「分かった、やろう」となった人は粘り強い。
すべては理解から始まるのだ。ぼくはそんなカッコいい仲間の姿を何度も目撃することとなった。
※本記事は書籍『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)からの抜粋記事です。
(記事の内容は個人の意見であり、所属会社・団体を代表するものではありません)



